- 研究課題コード
- 2527CD002
- 開始/終了年度
- 2025~2027年
- キーワード(日本語)
- オゾン,成層圏,大気大循環,化学気候モデル,成層圏突然昇温,南極渦
- キーワード(英語)
- ozone,stratosphere,atmospheric general circulation,chemistry climate model,stratospheric sudden warming,Antarctic polar vortex
研究概要
成層圏大循環とオゾン層は相互作用をしながら変動するものと考えられるが、定量的には未解明のままである。そこで本研究課題では、成層圏突然昇温や南極渦崩壊現象を対象にして、化学気候モデルを用いた、成層圏大循環とオゾン層の相互作用を組み入れた数値実験と、相互作用を切断した数値実験を行い、両数値実験結果と観測値との比較を詳細に行うことで、成層圏大循環とオゾン層の相互作用の詳細を明らかにすることを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
本研究課題では、成層圏突然昇温や南極渦崩壊現象を対象に、化学気候モデルを用いた成層圏大循環・オゾン層同時同化シミュレーションにより作成した初期摂動データから、成層圏大循環とオゾン層の相互作用を組み入れたアンサンブル数値実験と、相互作用を切断したアンサンブル数値実験を行い、両結果と成層圏大循環及びオゾン層の観測値との比較を詳細に行うことで、成層圏大循環とオゾン層の相互作用の詳細を明らかにすることを目的とする。
今年度の研究概要
既に着手している2009年11月の南極渦崩壊事例に加え、北半球の成層圏突然昇温事例と南極渦崩壊の類似事例(1997年、2011年など)を対象にして研究を行う。
各事例に対し、化学気候モデルに基づいて数値実験のための初期摂動データを作成し、成層圏大循環とオゾン層の相互作用を組み込んだアンサンブル数値実験と、相互作用を切断したアンサンブル数値実験(オゾンの放射場への影響は気候値に固定した3次元オゾン分布で与える)を実施し、オゾン全量、温度場、風の場、等圧面高度場等の基本物理量について、それぞれの観測値(オゾンの衛星観測データおよび気象再解析データ)との比較から両実験結果における各事例の予測可能期間を算出し、相互作用の寄与の程度を定量的に見積もる。
外部との連携
研究代表者:廣岡俊彦(九州大学名誉教授)
研究分担者:野口峻佑(九州大学・理学部・助教)
課題代表者
秋吉 英治
- 地球システム領域
気候モデリング・解析研究室 - シニア研究員
- 博士 (理学)
- 物理学,地学,コンピュータ科学