- 研究課題コード
- 2125AA123
- 開始/終了年度
- 2021~2025年
- キーワード(日本語)
- パターンランゲージ,ステークホルダー分析,産業共生,地域共創,バイオマス資源循環
- キーワード(英語)
- pattern language,stake holder analysis,industrial ecology,regional co creation,Biomass resource circulation
研究概要
放射線災害を受けた対象地域において、地域資源、里地里山生態系サービス、地域社会システムの統合的研究を行い、PJ1とPJ2の課題との連携の下、環境放射能汚染に係る環境影響評価や修復、バイオマス等地域資源の利活用に基づく環境創生を一貫して推進するプロジェクト研究として取り組む。
具体的には浜通り12市町村を主な対象地として、自然システムと社会システムの原子力災害からの回復と復興、さらには脱炭素を主軸とした新しい地域社会システムの創生のための研究を行う。サブテーマ(1)では地域資源やその資源を利活用する環境技術、資源管理方法を自然科学的視点から研究する サブテーマ(2)では地域特性を定性的に調査しつつ、(1)の科学的知見を社会実装する方法を開発する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:行政支援調査・研究
全体計画
3 年程度で環境放射能汚染による影響評価も含めた地域資源ポテンシャル調査や地域社会システムに係る調査結果を基に、避難指示解除区域における地域資源利活用に関する地域システムの創生研究を実施する。また、5 年目を目途に、それらを踏まえ、本システムを活用した地域資源の利活用を柱とした持続可能な地域環境構築に向けた取組に対する自治体等の計画、方針などへの反映や、災害後のバイオマス利活用、林産物などに関する技術導入のガイドラインの作成を行う。
今年度の研究概要
2025年度は以下の研究に取り組む。サブテーマ1では、大熊町が進める森林吸収源評価に向けた森林レーザー計測および評価に対して、これまで開発した森林資源推定・予測システムに基づいた技術的な助言を行う。さらに、浜通り地域における森林管理施策と連動した木質バイオマス利用について関係団体と協議を実施し、森林資源利活用方針に関する具体化を進める。また、同町における「RE100産業拠点の実現にむけたエネルギー拠点構想」の政策化、事業化にむけた判断材料を提供し、町の計画・政策に貢献する。また、社会実装の実現にむけた課題解決策を明らかにしていく。さらに、そのプロセスのうち、他地域へも応用可能な項目を抽出し、自治体の計画策定時の活用策をとりまとめる。
サブテーマ2では、大熊町のステークホルダーの意識・ニーズ、活動の実態、関係団体との連携状況に関するデータを、ステークホルダーのインタレスト・マップの作成等を通じて行政担当者・地域住民にわかりやすく示したうえで、調査結果を冊子(報告書)にとりまとめ、政策への還元・貢献を進めていく。さらに、先進事例調査より抽出した知見(パターン)の適用を大熊町においてに展開するとともに、Webサイトを発展させ地域づくりにおける知見を地域間で共有するためのプラットフォームを完成させる。このことを通じて、避難指示解除区域内外の地域が相互に学び合うことを通じて持続可能な地域を自律的にデザインしていくことを支援するための方法を明らかにする。
第5期全体として、避難指示解除区域における地域資源利活用システムと地域社会システムの創生に関する研究を地域社会のステークホルダーとの協働の下で進め同地域の政策立案等に貢献するとともに、その成果をとりまとめ、技術導入や社会システム創成に関する知見を整理することで、他地域に適用可能なガイドラインを制作するという目的を達成できる見込みである。
外部との連携
福島県、福島県浜通り地域自治体、エネルギー・エージェンシーふくしま





