- 研究課題コード
- 2425CD004
- 開始/終了年度
- 2024~2025年
- キーワード(日本語)
- ツンドラ火災,気候変動,年代測定,分子レベル14C測定
- キーワード(英語)
- Tundra fire,climate change,dating,compound specific radiocarbon analysis
研究概要
温暖化の進行により、陸域面積の1/4を占める永久凍土のさらなる融解が懸念されている。これにより大量の温室効果ガスが放出され、温暖化を加速化することが危惧されている。全球気候を激変させる恐れのある永久凍土融解の発生リスクを正確に予測するため、ツンドラ火災による凍土撹乱を含めた気候モデルの高精度化が極めて重要となっている。現在のモデルによる温暖化フィードバック予測に大きな誤差をもたらす要因として火災頻度推定の不確かさがある。これは、衛星観測以前の記録が皆無で検証データが欠如していることによる。本研究では、ブラックカーボン(BC)、燃焼生成有機分子(PAHs、Retene)等の燃焼生成マーカー物質を用いて過去の火災イベントを復元するための手法(=燃焼記録プロキシー)を開発する。さらに、開発した手法をアラスカツンドラ域の環境試料に適応し、過去0.5~1万年の火災履歴の復元をめざす。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
本研究では、ブラックカーボン(BC)、燃焼生成有機分子(PAHs、Retene)等の燃焼生成マーカー物質を用いて過去の火災イベントを復元するための手法(=燃焼記録プロキシー)を開発する。さらに、開発した手法をアラスカツンドラ域の環境試料に適応し、過去1万年の火災履歴の復元をめざす。1)凍土コア中BC, OC, 分子マーカーの濃縮精製法の開発
2)凍土コア中BC, OC, 分子マーカーの鉛直プロファイル復元
今年度の研究概要
アラスカ北極ツンドラ地域の湖沼堆積物の年代測定並びにブラックカーボン、バイオマス燃焼由来有機分子(PAHs, レボグルコサン等)の分析を行う。
外部との連携
東京薬科大学、アラスカ大学
備考
2023CD007
- 関連する研究課題
課題代表者
内田 昌男
- 地球システム領域
物質循環観測研究室 - 主幹研究員
- 博士(農学)
- 化学,地学,理学