- 予算区分
- 3-2403
- 研究課題コード
- 2426BA005
- 開始/終了年度
- 2024~2026年
- キーワード(日本語)
- ペル及びポリフルオロアルキル物質,適正管理,排出低減対策,モニタリング,モデリング
- キーワード(英語)
- Per- and polyfluoroalkyl substances,Appropriate management,Emission reduction measure,Monitoring,Modeling
研究概要
廃棄物の処理・処分・再資源化施設におけるペル及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)廃棄物の管理方策の開発及び社会実装に向けた検討を目的として、二つのサブテーマで相互に反映しながら廃棄物由来PFASの存在状況と環境排出量及び環境中濃度に関する科学的知見を収集・評価し、マクロとミクロの視点で廃棄物由来PFASの排出削減対策を検討する。
サブテーマ1では、PFAS全体の管理に実効性のある評価手法を開発・応用し、PFAS廃棄物取扱施設で実測調査を行い、廃棄物・廃水・汚泥・排ガス中の存在状況を評価する。評価手法は、推進費3-2102及び3-2303課題研究で開発した7種の分析化学的アプローチを駆使して化学種と含有量を多角的に測定するとともに、PFASを検出するバイオアッセイ(PFAS CALUXアッセイ)を国内で初めて導入して毒性作用機序に基づく生体応答強度を包括的に測定する。化学種と含有量及び生体応答強度の測定結果をもとに廃棄物由来PFASの存在状況を評価し排出低減対策を提示する。また、PFAS管理の社会実装を見据えて地方環境研究所等を対象にPFAS分析に関する相互検定を実施しその実用化に取り組む。
サブテーマ2では、PFAS廃棄物の発生量とフローを解析し、マクロの視点から廃棄物由来PFASの環境排出量を精緻化し排出インベントリを作成する。また、PFAS廃棄物取扱施設における施設内動態について、ラボスケールの要素試験と施設内動態モデルの解析結果に基づき、ミクロの視点から廃棄物由来PFASの環境排出量を精緻化し化学物質空間図を作成する。環境動態モデルの解析結果からPFASの環境中濃度の推算値を求め、これを環境中濃度の実測値と比較することで、廃棄物由来PFASの環境負荷を評価する。以上の結果から、廃棄物由来PFASの排出低減対策の効果を環境排出量と環境中濃度の観点から評価する。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
廃棄物由来PFASの存在状況と環境排出量及び環境中濃度に関する科学的知見を収集・評価し、廃棄物由来PFASの排出削減対策を検討し、PFAS廃棄物の管理方策を開発する。その中で、PFAS全体の管理に実効性のある評価手法を開発・応用し、PFAS廃棄物取扱施設で採取する廃棄物・廃水・汚泥・排ガスに含まれるPFASの存在状況に関する科学的知見を収集・評価し、排出低減対策を提示する。地方環境研究所等を対象にPFAS分析に関する相互検定を実施し、評価手法の実用化に取り組む。また、PFAS廃棄物の発生量とフローを解析し、廃棄物由来PFASの環境排出量を精緻化するとともに、排出インベントリを作成する。ラボスケールの要素試験で廃水及び汚泥の排出挙動に係るパラメータを取得し、PFAS廃棄物の取扱施設における施設内動態を解析し、廃棄物由来PFASの環境排出量を精緻化するとともに化学物質空間図を作成する。
今年度の研究概要
サブテーマ1では、(A) 廃棄物・廃水・汚泥・排ガスの試料採取方法を開発し、高濃度PFAS廃棄物の分解処理施設、PFAS含有廃棄物の混入が疑われる固形燃料製造施設やメタン発酵施設など、PFAS廃棄物取扱施設2施設程度を対象に実測調査を行い、廃棄物・廃水・汚泥・排ガス試料を採取する。(B) 化学分析法を最適化し、廃棄物・廃水・汚泥・排ガス試料の化学分析を行い、廃棄物由来PFASの化学種と含有量の実測データを収集する。PFAS CALUXアッセイの維持管理体制を整備し、PFASの標準物質を用いてPFAS CALUXアッセイの精度と正確度を確認する。試料前処理法を最適化する。(C) PFAS標準液を共通試料として相互検定を行う。廃棄物・廃水・汚泥・排ガス試料の抽出液を準備する。
サブテーマ2では、(A) PFAS廃棄物の発生量と各種処理施設のフローを解析し、サブテーマ1の実測に基づく排出係数を用いてPFAS環境排出量を試算する。(B) 固形化燃料製造施設における廃棄物由来PFASの排出量を推定するための動態モデルを開発するために、固形化燃料の加熱成形機の処理条件とPFASの環境排出量に関するラボ実験を行う。メタン発酵溶液を用いて、水/溶存有機炭素に対するPFAS分配係数を測定するとともに、側鎖フッ素化ポリマーの加水分解によるPFAS発生速度の測定法を確立する。
外部との連携
京都大学、横浜国立大学、大阪府立環境農林水産総合研究所、株式会社日吉
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