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最終処分場浸出水等に含まれるPOPs等の排出機構の解明とリスク低減技術の開発(令和 5年度)
Elucidation of the mechanisms of POPs emissions from landfill leachate and technological development for risk reduction

予算区分
3-2303
研究課題コード
2326BA001
開始/終了年度
2023~2026年
キーワード(日本語)
最終処分場,フッ素化合物POPs,排出量予測
キーワード(英語)
Landfills,Fluorinated POPs,Long-term emissions forecasts

研究概要

残留性有機汚染物質(POPs)の廃絶・制限に向けた取組が国際的に講じられている。一方、規制前に製造及び使用されたPOPs含有廃棄物の多くは、最終処分場に埋め立てられていることから、浸出水を介した環境中への放出が懸念される。最終処分場からのPOPs排出のリスク低減のためには、浸出水中に含まれるPOPsの排出実態を把握するとともに、将来の排出量を予測した上で、有効な処理技術を選定することが重要となる。しかしながら、国内の最終処分場浸出水を対象としたPOPsの排出実態に関する知見は乏しく、また、浸出水を対象としたPOPsの処理技術の有効性の検証や、将来排出予測の精緻化のための溶出・生成挙動について明らかとされていない。本研究では、POPs及びその候補・関連物質(POPs等)を対象に、(1)最終処分場浸出水を対象とした分析法の構築及び排出実態把握の全国展開とリスクの把握、(2)既存・新規浸出水処理技術の有効性評価、(3)埋立廃棄物からの溶出と生成に着目したフッ素化合物POPsの排出量予測により、長期にわたるPOPs等の適正管理に貢献することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究では、主に、フッ素化合物POPsを対象とする。汎用性の高い分析法を構築し、最終処分場からの排出実態把握の全国展開を進めるとともに、埋立廃棄物の種類・埋立年代と浸出水中濃度との関係を明らかにする。浸出水処理過程での固・液相への移行や分解などの詳細挙動を明らかにし、新規の分解処理技術も含めた有効性検証を行い、廃止までに備えておくべき浸出水処理システムを提案する。最終処分場におけるフッ素化合物POPsの溶出促進因子/吸着因子と溶出可能量を明らかにするとともに、微生物反応による前駆物質からのPFOA等の生成可能性を検証する。また、環境研究総合推進費(3-2102)の包括的解析手法と廃棄物への混入実態に関する知見を展開し、埋立廃棄物の発生源の種類とその寄与割合を推定する。これら成果を反映し排出量将来予測を行い、我が国の最終処分場から排出されるPOPs等のインベントリーを明らかにする。

今年度の研究概要

FTOH等の前駆物質やGenX等の分析法を開発し、地方環境研究所間でクロスチェックを行うことで問題点を抽出し、改良する。最終処分場浸出水中のPOPsの濃度実態把握を進める。既設の浸出水処理施設内の各工程でのPOPsの挙動を明らかとするとともに、新規処理技術の構築のため、電気分解処理によるPOPs分解の検討を行う。また、ボーリングコア試料、埋立対象廃棄物等を対象としたPOPs等の含有分析を行う。バッチ試験によるPOPsの溶出促進/遅延因子を解明するとともに、嫌気性の処分場環境を模擬した微生物評価試験系を構築する。

外部との連携

大阪府立環境農林水産総合研究所、兵庫県環境研究センター、 沖縄県衛生環境研究所、福岡県保健環境研究所、神戸大学

関連する研究課題

課題代表者

遠藤 和人

  • 福島地域協働研究拠点
    廃棄物・資源循環研究室
  • 室長(研究)
  • 工学博士
  • 土木工学,材料工学
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担当者