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令和4年度農薬生態リスクの新たな評価法確立事業(調査研究)業務(令和 4年度)
FY2022 Contract research work on the development of new assessment method for ecological risk of pesticides

研究課題コード
2222BY014
開始/終了年度
2022~2022年
キーワード(日本語)
殺虫剤,OECDテストガイドライン,ユスリカ,水草,除草剤
キーワード(英語)
insecticide,OECD test guideline,midge,macrophyte,herbicide

研究概要

 農薬の生態影響評価については、第5次環境基本計画(平成30年4月17日閣議決定)において、「従来の水産動植物への急性影響に関するリスク評価に加え、新たに長期ばく露による影響や水産動植物以外の生物を対象としたリスク評価手法を確立し、農薬登録制度における生態影響評価の改善を図る」こととされていることを踏まえ、環境省では、農薬の長期ばく露による影響の観点からのリスク評価(慢性影響評価)手法等について検討を行うなど、徐々に生態影響評価の充実を図ってきたところである。
 これを踏まえ、本業務では、水域の生活環境動植物に対する慢性影響評価手法の検討において課題とされた事項等、生態影響評価のさらなる改善に係る技術的な検討を行うことを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

(1)ユスリカ幼虫に係る慢性毒性試験の実施
 過年度業務において、ユスリカ幼虫に係る急性毒性値と慢性毒性値の比較・考察等を実施した結果を踏まえ、殺虫剤のうち、これまでに得られた毒性データが少ない作用機作に属する農薬について慢性毒性試験を実施し、慢性毒性値を導出することにより、過年度の検討結果を精緻化する。
慢性毒性試験についてはOECD TG218(底質添加による水−底質系ユスリカ毒性試験)及び過年度業務において提案されたOECD TG219(水添加による水−底質系ユスリカ毒性試験)改良版のいずれか(又は両方)に基づき、計3試験程度を実施するとともに、TG219改良版の適用範囲(例:n-オクタノール/水分配係数が○○未満である場合)について考察する。
(2)魚類・甲殻類に係る毒性情報の整理
 魚類に係る慢性毒性試験については、現在提案されている慢性影響評価手法では、OECD TG210魚類初期発達段階試験 )を標準としていることを踏まえ、TG210及び TG210以外の慢性毒性試験方法(フルライフサイクル試験等)による毒性値の差異について、文献により 比較・考察する。
 また、魚類に係る急性毒性試験については、OECD TG203(魚類急性毒性試験)の予備試験、代替試験として位置づけられているOECD TG236(魚類胚期急性毒性試験)及びOECDにおいて現在議論されているニジマスエラ細胞試験による毒性値の差異について、文献及び試験実施(3試験程度)により比較・考察する。
 加えて、甲殻類に係る慢性毒性試験については、現在提案されている慢性影響評価手法ではオオミジンコを用いることとされているが、過年度業務において 収集した、甲殻類各種の慢性毒性値を精査し、オオミジンコと、それ以外の甲殻類の毒性値の差異について、文献により比較・考察する。
(3)ウキクサ試験における毒性データベース構築に向けた業務
 ウキクサ(Lemna sp.)を用いた試験の毒性データは、藻類に比較して非常に少なく、試験法や毒性値の信頼性評価で必要とされている知見(培地の種類や、測定するエンドポイントによる毒性値の差異)が不足していることを踏まえ、4農薬程度について、OECDテストガイドラインに基づく毒性試験を行う。
 また、過年度業務における結果と併せて、培地組成の違いによる毒性値の比較検証を行った結果を「農薬の再評価における、過去に実施した水域の生活環境動植物の毒性試験の利用可能性に係るガイダンス(仮称)」(案)として取りまとめる。
(4)OECDテストガイドラインの見直しについての提案
 過年度業務において作成した、藻類生長阻害試験(OECDテストガイドラインNo.201)の改訂にかかる提案書が、令和3年4月に開催されたOECDの試験法ガイドライン承認会議で承認されたことを踏まえ、珪藻の代替株及び代替培地の検証のためのリングテストの実施に向けた国内外試験機関との各種調整及び意見交換や、結果の検証を実施する。
(5)ドジョウツナギを用いた試験法に係る検討
 水生植物のドジョウツナギ(Glyceria maxima)を用いた毒性試験について、欧州で一部の除草剤及び植物成長調整剤について必須とされており、またOECDにおいても試験ガイドラインの確立が見込まれていることを踏まえ、過年度の文献調査で不足しているデータを補うため、3農薬程度について、提案されている試験ガイドラインに基づく毒性試験を行う。
 また、同じく水生植物のウキクサ、フサモ(Myriophyllum spicatum)を用いた毒性試験についても文献調査を行い、作用機序の異なる複数の除草剤について、ウキクサとフサモ、ドジョウツナギの種間差に関する検討を実施する。
(6)令和5年度以降の調査研究計画の検討
 現行の農薬の生態リスク評価手法について、本業務を通じて得られた知見を踏まえた上で、令和5年度以降に行うべき調査研究の業務内容の計画の提案を行う。
(7)環境省担当官との協議及び報告書の作成
 上記(1)〜(6)の実施に当たっては、おおむね実施前、実施中(中間報告)及び実施後の3回程度、試験方法や試験対象農薬の選定、取りまとめ方法等について、環境省担当官と協議するとともに、実施結果を報告する。(Webを想定、ただし対面も可とする。)また、業務履行期限までに報告書を作成する。

今年度の研究概要

同上

関連する研究課題

課題代表者

山本 裕史

  • 環境リスク・健康領域
  • 副領域長
  • Ph.D.
  • 化学,生物学,土木工学
portrait

担当者

  • 山岸 隆博環境リスク・健康領域
  • 渡部 春奈環境リスク・健康領域
  • 大野 浩一環境リスク・健康領域
  • 松崎 加奈恵
  • 杉浦 智子
  • 長尾 明子
  • 阿部 良子
  • 小塩 正朗
  • 新宅 洋子
  • 八木 文乃