- 研究課題コード
- 1823CD001
- 開始/終了年度
- 2018~2023年
- キーワード(日本語)
- エアロゾル,ライダー,南米,オゾン
- キーワード(英語)
- aerosol,lidar,South America,ozone
研究概要
JST/JICA SATREPSのSAVER-Netプロジェクト(研究代表:水野名古屋大教授、2013-2017)でアルゼンチンとチリに構築した9台の多波長ライダーから成るエアロゾル観測網を活用し、南米におけるエアロゾル種別を識別するた めのキャラクタリゼーション手法を確立し、濃度推定のアルゴリズムを開発する。その結果を用い、南米におけるエアロゾルの特性(エアロゾルの種別、エアロゾル種および輸送経路 の季節変化・経年変化の傾向等)を観測的に明らかにし、2019年に打ち上げ予定の EarthCARE衛星の南米域の地上検証のための基礎データを整備する。同じくSAVER-Netの南米南端部のオゾン測器を活用し、オゾンホールの形状変化の同化予報モデルを改良し、地域 住民への予報精度を向上させるとともに、オゾンホールおよびその外周部のオゾン分布を決 めている要因(大気力学的なメカニズム)の理解を深め、温暖化によりオゾンホールが受ける影響の将来予測を行う。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
(2018年〜2019年度)ライダーネットワークの測定データ自動処理・解析システムの確立
SAVER-Netプロジェクトで各観測点からのデータの集約、解析処理(平均/校正)のパイプ ライン化は完了している。本研究では、さらにエアロゾル層の判別(雲層や雨層の除去)、 エアロゾルの光学特性(消散係数、後方散乱係数、偏光解消度)の抽出を自動化する。
(2020~2021年度)エアロゾルのタイプ識別と濃度推定
抽出したエアロゾル光学特性データ等を用いて、各エアロゾル層のエアロゾルタイプ(火 山噴煙粒子、バイオマス燃焼粒子(スモーク)、海洋性粒子など)を識別する。さらに、タ イプ識別されたエアロゾルの濃度を推定するアルゴリズムを整備する。
(2022〜2023年度)各観測ステーションにおけるエアロゾルタイプのキャラクタリゼーション
火山噴煙の移流、スモークの長距離輸送などのイベント毎にデータを抽出し、南米におけ る主要な(特徴的な)エアロゾルタイプの光学特性を再吟味(値付け)する。
今年度の研究概要
ライダーネットワークデータの解析を引き続き行い、エアロゾル光学特性データの抽出およびエアロゾルタイプ(火 山噴煙粒子、バイオマス燃焼粒子(スモーク)、海洋性粒子など)毎のキャラクタリゼーションを行い、タイプ識別手法を検討する。オゾンに関しては引き続きデータ同化による初期値からの予測実現性に向けた力学的解析を行い、ミリ波放射計による連続データがいかに初期値作成に貢献できるかを検討したい。
外部との連携
名古屋大学および九州大学との共同研究
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