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令和3年度生態毒性予測手法等に関する調査検討業務(令和 3年度)
Study on a prediction method of ecotoxicity

研究課題コード
2121BY107
開始/終了年度
2021~2021年
キーワード(日本語)
生態毒性,予測手法,QSAR
キーワード(英語)
ecotoxicity,prediction method,QSAR

研究概要

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化審法」という)では、化審法制定以前に製造・輸入が行われていた既存化学物質を含むすべての一般化学物質について、優先的に評価を行うべき化学物質(以下「優先評価化学物質」という)を絞り込むためのスクリーニング評価を行い、必要に応じてより詳細なリスク評価を迅速かつ着実に実施し、その結果に応じた適切な措置を講じることとしている。平成23年度以降、毎年度スクリーニング評価を実施しているが、相当以上の推計暴露量があっても有害性情報が得られない物質が少なくない。また、リスク評価段階でも有害性情報の提供が行われず、有害性情報が十分に得られない物質もある。さらに、動物福祉の観点から動物試験の削減が国際的にも求められるなかで、時間と費用を要する動物試験ではなく、化学物質の構造式や物理化学的性状と生物学的活性(毒性等)の定量的な相関(定量的構造活性相関(Quantitative Structure-Activity Relationship、以下「QSAR」という)を用いた、生態毒性の簡易推計手法の活用が期待されている。化学構造式や物理化学的性状から生態毒性を予測するQSARモデルについては、過去の環境省請負業務においては、このQSAR手法を用いた生態毒性予測システム(Kashinhou Tool for Ecotoxicity: KATE。以下「KATE」という)が研究、開発されており、令和2年2月にはKATE2020版を公開したところである。
本業務では、KATE2020版の改良を行うともに、KATE2020版では予測が難しい物質について予測システムの開発を検討する。また、QSAR手法の化審法におけるスクリーニング評価、リスク評価における実践的利用のための情報収集を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

以下の調査・検討を実施する
(1)新たな定量的生態毒性評価・予測システムの開発に関する検討
(2)KATE2020版の改良及び操作性の向上に向けた検討
(3)諸外国において開発されるQSAR 手法に関する情報収集等

今年度の研究概要

(1)新たな定量的生態毒性評価・予測システムの開発に関する検討として、カテゴリーアプローチとQSARモデルとを融合した新たな生態毒性システムについて検討をすすめる。(2)KATE2020版の改良及び操作性の向上に向けた検討としては、QSAR分類やQSAR式を精査し、必要な点について改良を行う。また、KATE2020の操作マニュアルの改善・充実を行う。さらに、KATE2020の改良版に対する外部バリデーションを実施する。(3)QSAR手法の実践的な活用のための情報収集においては、OECDにおけるQSAR関連の会議に出席し、OECD及び加盟各国におけるQSARの利用・開発の状況等について情報収集を行うとともに、利用促進に係る議論に参加する。

外部との連携

ポーランド・グダンスク大学

関連する研究課題

課題代表者

大野 浩一

  • 環境リスク・健康領域
    環境リスク科学研究推進室
  • 室長(研究)
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担当者