資源循環過程における有害物質等の計測・試験・評価研究（令和 3年度）
Measurement, testing, and evaluation of hazardous and valuable substances in material cycles

研究概要

廃棄物処理・資源化の過程から排出されるマイクロプラスチックやアスベスト等の粒子状物質やそれに含まれる有害物質の計測手法を確立し、作業従事者等の健康影響に関する包括的な評価を行う。製品ライフサイクルに伴うPOPs等樹脂添加剤の挙動、非意図的生成POPsの発生源等を調査するとともに、新規・次期POPs指定化学物質を含有する製品・廃棄物の実態把握のためのサンプリング法・前処理法・機器測定法を整理し、網羅分析法を開発する。廃棄物熱処理過程等での有価金属や有害物質の挙動解明を進める。土石系循環資源の利用過程における環境安全品質評価手法の規格化、微生物との相互作用による循環資源グリーンインフラ機能向上に向けた基礎技術開発・評価を行う。

研究の性格

• 主たるもの：技術開発・評価
• 従たるもの：モニタリング・研究基盤整備

全体計画

マイクロプラスチック、アスベストについては、3年目までに廃棄物処理・資源化過程から排出されるマイクロプラスチック計測手法、アスベスト迅速測定法を確立し、5年目までに廃棄物処理・資源化施設から排出される粒子状物質等の有害性について包括的に評価する。POPs規制化学物質については、3年目までに製剤・製品を対象とした網羅分析法を開発し、製剤・製品中の新規・次期POPsを特定する。5年目までに廃棄物の網羅分析法を開発して新規・次期POPsを特定し、廃棄物処理施設等でのモニタリングを継続する。燃焼残渣、土石系循環資源については、3年目までに燃焼残渣の発生特性等を解明し、また、スラグ等のグリーンインフラ技術への適用可能性の基礎的な評価を行う。継続的に、環境安全品質評価手法の開発に取り組む。5年目までに、土石系循環資源のグリーンインフラ技術の水域への適用に関する環境安全性や炭素固定能力等の評価手法を提案する。

今年度の研究概要

大気中アスベスト迅速測定法に関し、位相差顕微鏡画像からの繊維検出に適当なAIモデルの選択とその学習を行う。廃棄物処理・再資源化の過程で微細化した新規POPs含有プラスチック（マイクロプラスチック）の主に大気経由での排出状況の調査に着手する。廃棄物及び使用済み製品に含まれているフッ素化合物POPsの網羅分析法の開発に着手する。PFOS含有廃棄物を対象に開発された現行の分析法の適用範囲と課題を明らかにした上で、PFOA及びPFHxS等の分析条件の最適化を行う。スラグを用いたグリーンインフラ技術の基礎試験に着手する。焼却灰の発生特性に関する全国調査を実施する。焼却灰等から発生したアルカリ性溶液の中和メカニズムのモデル化に取り組む。地盤材料を対象としたカラム試験のJIS化を進める。

外部との連携

環境管理センター、日本エヌ・ユー・エス、千葉大学、いであ、京都大学、静岡県立大学、電力中央研究所、東洋建設、日本製鉄