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災害・事故発生後に環境中に残留する化学物質への対策実施と継続監視のためのモニタリング手法開発(令和 3年度)
Development of monitoring method for environmental pollution derived from accidents and disasters

予算区分
S17-4(2)
研究課題コード
1822BA001
開始/終了年度
2018~2022年
キーワード(日本語)
セミアクティブサンプリング,網羅分析,時系列分析,差の検出
キーワード(英語)
semi-active sampling,complrehensive analysis,time course analysis,difference detection

研究概要

災害・事故により環境へ放出された化学物質の汚染規模と範囲の確定、汚染の中長期的な監視は、対策を効率的かつ効果的に実施するうえで必要不可欠といえる。同時に、化学物質リスクの管理・監視の観点からも、災害・事故により発生・放出される副生成物や不純物をも包括的に監視することが肝要である。
特に化学プラントの漏えい事故や爆発・火災等では、原料不純物や燃焼生成物を含む複雑な組成の化学物質が非常に高濃度で拡散する恐れがあり、それらがもたらす環境への負荷、とりわけ周辺住民の健康への被害が懸念される。残留性の高い化学物質汚染の場合には、その影響が長期化することが予想される。従って、早い段階で汚染範囲を特定し、汚染物質の種類を把握することは、除染などの対策を効率的かつ効果的に実施するために極めて重要なプロセスといえる。また、汚染区域からの化学物質の舞い上がりや蒸散、水系への流出・溶出などによる二次汚染とそれに伴う長期曝露の危険性を監視することは、対策の有効性を見極め、対策の継続や完了を判断するための科学的根拠を提供するという意味においても非常に重要である。
本研究では、災害・事故後の化学物質による汚染範囲の特定と汚染レベルの監視、汚染除去対策の効果の包括的評価、問題物質の特定等、行政対策への貢献に直結する情報の提供を可能にすることを目指し、災害・事故等の後に環境中に残留する主要物質から生成物等まで詳細に把握するサンプリングから測定・データ解析までの手法を提示することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

災害発生後の残留物質の中長期的な監視や対策範囲の特定を効率的・網羅的・低コストで面的な展開も可能とするサンプリング・調査手法を開発する。また、現場では、火災や化学反応による二次生成物による汚染が新たに発生する可能性も十分に考えられる。このような不純物や反応生成物など事故等から直接に想定される以外の物質も捕捉可能な網羅分析法とデータ解析手法を開発する。

今年度の研究概要

  柴田科学製小型セミアクティブエアサンプラー(SAAS)用吸着材としてゲステル製Twister(PDMS)を活用するため、他の吸着材やHVASと比較試験を室内外の大気捕集により行う。
 地方自治体の協力を得てケーススタディ地域を設定し、開発したサンプリング・測定・解析手法の試験運用を開始する。ケーススタディでは、可能であれば、汚染性質(火災跡地、化学汚染跡地、不法投棄現場など)の異なる場所を選定する。
 地方自治体の協力を得て普及型のGC/MSによる網羅分析の有効性と限界をGCxGC/MSとの共通試料の測定比較により、検証する。

外部との連携

中村智(大阪府立環境農林水産総合研究所)、井上大介(大阪大学)

課題代表者

橋本 俊次

  • 環境リスク・健康領域
    計測化学研究室
  • 室長(研究)
  • 学術博士
  • 農学,化学
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担当者