- 予算区分
- LA 共同研究
- 研究課題コード
- 1921LA001
- 開始/終了年度
- 2019~2021年
- キーワード(日本語)
- エアロゾル,大気汚染予測,衛星データ,エアロゾル同化
- キーワード(英語)
- aerosol, air pollution forecast, satellite data, aerosol assimilation
研究概要
GCOM-C/SGLIから導出された大気エアロゾルプロダクトを利用し、大気汚染物質輸送モデル(NICAM-Chem)によるエアロゾルデータ同化を活用することによって、国立環境研究所で運用している大気汚染予測システム(VENUS)の次世代版プロトタイプの開発を行い、従来以上に高精度で社会利用に役立つ大気汚染予測を行う。
3年間のプロジェクトでは、VENUSの次世代型システムとして、ストレッチ版NICAM-Chemを用いた大気汚染予測システムの導入、及び、NICAM-Chem を用いたエアロゾルデータ同化の活用を目指す。用いる衛星データは、GCOM-C/SGLIを中心に、静止衛星ひまわり8/9号も併用し、複数の衛星エアロゾルプロダクトを利用する。予測システムの対象領域は日本を中心とする東アジアで、都道府県レベルを空間分解できるようなモデル水平解像度とする。高解像度シミュレーションとエアロゾルデータ同化による観測との融合によって、従来よりも高精度の大気汚染予測情報を国民に広く配信することを目指す。さらに、10kmグリッドスケールで得られたエアロゾル同化プロダクトは、衛星リトリーバルや検証等にも役立つようにする。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
2019年度は、エアロゾルデータ同化によって改善されたエアロゾル分布を初期値として用いた場合、大気汚染予測精度がどの程度向上するかを定量的に把握する。また2019年度後半から2020年度末においては、GCOM-C/SGLIを利用したNICAMエアロゾル同化システムの構築を行い、GCOM-C/SGLIの利用に伴う大気汚染予測の精度向上がどの程度であるかを定量的に示す。2020年度後半から2021年度末までにかけては、上記の同化システムの運用テストを行い、NICAMエアロゾル同化の高解像度プロダクトを作成する。2021年度後半を目処に、本研究を通じて得られたNICAMエアロゾルプロダクトの成果をモデル及び衛星のコミュニティに提供・公開する。また、全期間を通じて、主モデルであるNICAMを精緻化することで、エアロゾルデータ同化の予測精度を向上させる。モデル精緻化に関しては、エアロゾルデータ同化を施しても結果が改善されない事象に特に注目し、モデルの境界データや使用するパラメータを変化させることで改善すべきものか、モデル素過程自体を改良すべきかを判断する。なお、モデル検証には、衛星データだけではなく、地上観測データも用いる。また、NICAMの計算にはJAXAのJSS2システムも利用する。
今年度の研究概要
2019年度は、エアロゾルデータ同化によって改善されたエアロゾル分布を初期値として用いた場合、大気汚染予測精度がどの程度向上するかを定量的に把握する。また2019年度後半から2020年度末においては、GCOM-C/SGLIを利用したNICAMエアロゾル同化システムの構築を行い、GCOM-C/SGLIの利用に伴う大気汚染予測の精度向上がどの程度であるかを定量的に示す。
外部との連携
宇宙航空研究開発機構、中国科学院大気物理研究所、VU University Amsterdam
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