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衛星観測センター(平成 31年度)
Satellite Observation Research Project

研究課題コード
1620AU001
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
衛星,温室効果ガス,気候変動,地球温暖化,二酸化炭素,メタン,一酸化炭素,炭素循環
キーワード(英語)
satellite, greenhouse gas, climate change, global warming, carbon dioxide, methane, carbon monoxide, carbon cycle

研究概要

本事業は、環境省、宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び国環研の三者共同で、衛星による大気中温室効果ガス濃度等の全球観測を継続的に実施するもので、全球炭素循環や関連物質の濃度分布の科学的理解の深化及び将来の気候予測の高精度化に貢献すること、及び衛星を用いた各国の温室効果ガスや粒子状物質の排出インベントリや排出削減活動の検証に関する技術を開発し、環境省の地球温暖化関連施策へ貢献することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)については、衛星後期利用運用期間中に観測取得したデータに対してGOSATデータの定常処理を継続し、二酸化炭素、メタンなどの濃度やフラックス等を算出する。また、GOSAT全データの確定再処理の検討・準備を進め、衛星の状態を見極めながら適切なタイミングで確定再処理を行う。さらに、定常処理、確定再処理によるプロダクトの検証と保存、提供、広報活動を行う。
 温室効果ガス観測技術衛星2号(GOSAT-2)については、3年度目まではGOSAT-2データを処理するシステムの開発を進め、2018年度に予定されている打上げ以降は、GOSAT-2データの定常処理やプロダクトの検証と保存、提供、広報活動を行うとともに、適宜システムの改修を行う。また地上システムについては、GOSATは既に運用中、GOSAT-2は既に設計済みであるため、その範囲においてより多くのデータプロダクトの配布に取り組む。
 温室効果ガス観測技術衛星3号(GOSAT-3)以降については、主に科学的見地から要求要件を取りまとめ、環境省及びJAXAと連携して全体計画を立案するとともに、データプロダクト配布数等の目標を設定する。
 さらに、国内外の他の研究機関等との連携のプラットフォームを活用し、GOSAT、GOSAT-2データの利用の拡大に関しては研究公募による国内外の研究者との共同研究を実施する。また、他の研究機関等に最適な専門家がいる分野に関しては、GOSAT-2サイエンスチームメンバー等(国内の大学・研究機関に所属する研究者)への委託により我が国としての成果の最大化を図る。さらにGOSAT、GOSAT-2のデータ処理に必要な気象データの一部は気象庁との協定に基づき入手するほか、検証サイトにおいて地上観測を行っている海外の大学・研究機関等とも協定を結び、検証観測装置の設置・運用を行い、検証データを早期入手する。米国の同種衛星については、三者及び米国NASA との覚書に基づき連携を推進する。加えて、GOSAT等をJCM活動のMRVの一方法として利用する事例研究を、環境省と調整の上JCM対象国等において新規に実施する。

今年度の研究概要

H30年度は以下の内容を実施する。
(1) 現在運用中の温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)のデータの定常処理を継続し、二酸化炭素、メタンなどの濃度やフラックス等を算出する。また、GOSAT全データの再処理の検討・準備を進めるとともに、定常処理によるプロダクトの検証と保存、提供、広報活動を行う。必要に応じてGOSATサイエンスチーム会合を開催し、上記活動等についての意見を求める。
(2) 本年度に打ち上げ予定の温室効果ガス観測技術衛星2号(GOSAT-2)については、GOSAT-2データを処理するシステムの製造及び試験やその運用準備を行い、打ち上げ後にはその運用を開始する。また、プロダクト検証の準備や広報活動についても適宜進める。必要に応じてGOSAT-2サイエンスチーム会合を開催し、上記の活動等についての意見を求める。
(3) 温室効果ガス観測技術衛星3号(GOSAT-3)については、宇宙基本計画工程表(平成29年度改定)に従い、平成34年度の打上げを想定して環境省、JAXAと連携して検討を進める。
(4) 国内外の他の研究機関等との連携のプラットフォームを活用し、GOSATデータの利用の拡大に関しては研究公募による国内外の研究者との共同研究を継続するとともに、GOSAT-2の研究公募を新たに開始する。また、他の研究機関等に最適な専門家がいる分野に関しては、GOSAT-2サイエンスチームメンバー等(国内の大学・研究機関に所属する研究者)への委託により我が国としての成果の最大化を図る。
(5) GOSAT、GOSAT-2のデータ処理や検証に必要な気象データの一部は気象庁との協定に基づき入手するほか、検証サイトにおいて地上観測を行っている海外の大学・研究機関等とも協定を結び、検証観測装置の設置・運用を行い、検証データを早期入手する。
(6) 米国および欧州の同種衛星については関係機関との覚書・協定に基づき連携を推進する。加えてGOSAT等をJCM活動のMRVの一方法として利用する事例研究を開始するための諸調整を環境省とともに進める。

外部との連携

・研究業務の一部をGOSAT-2サイエンスチームメンバー(国内の大学・研究機関に所属する研究者)に委託した。
・GOSAT、GOSAT-2のデータ処理に必要な気象データの一部を気象庁との協定に基づき入手した。
・検証サイトにおいて地上観測を行っている海外の大学・研究機関と協定を結び、検証データを早期入手した。
・研究公募によりGOSAT、GOSAT-2データの利用に関して国内外の研究者との共同研究を実施した。
・覚書、協定等に基づき、米国、欧州、フランス、ドイツの宇宙機関、フィンランドの研究機関と連携した。

備考

環境省委託研究による業務を含む。

課題代表者

松永 恒雄

  • 地球システム領域
    衛星観測センター
  • センター長
  • 博士 (工学)
  • 工学
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担当者