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都市緑地の生物多様性は心理的幸福感を向上させるか? 景観スケールでの検証(平成 29年度)
Do psychological benefits of urban greenspace increase with biodiversity? A landscape‐scale approach

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1618CD031
開始/終了年度
2016~2018年
キーワード(日本語)
生物多様性,都市緑地,心理的幸福感,健康
キーワード(英語)
Biodiversity,Urban greenspace,Psychological benefits,Health

研究概要

現代社会はストレス社会と言われているように、多くの人々が様々な社会的・物理的ストレスにさらされている。その結果、欝や不安症状などこころの病を患う人々が近年急増しており、その対策が喫緊の課題となっている。これまでの研究から、日常的に自然と接することは、我々の健康に大きく資することが示唆されているが、既存研究では短期的な自然体験ばかりが注目されており、長期的に自然と接することがどのような効果を持つのかは分かっていない。
本研究課題では、都市緑地における人々の自然体験が身体・心理・社会的健康に及ぼす影響を明らかにする。具体的には、東京都における異なるタイプの様々な緑地(公園、緑道、農園等)を対象として、定期的に緑地で自然と接することが、どのような健康促進効果をもたらすのかを定量的に評価する。またその際、緑地内のどのような生物・物理的要因が、健康促進効果に貢献しているのかも明らかにしていきたい。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

現代の「都市化社会」において、都市住民の心理的な健康・福利を向上させることは極めて重要な課題である。最近の研究から、都市緑地は地域の人々に多大な心理的幸福感をもたらすことが分かってきたが、こうした心理的幸福感がどのような環境要因から派生しているのか、 そのプロセスはほとんど解明されていない。本研究では、東京都にある 80 ヶ所の緑地を対象に、都市緑地がもたらす心理的幸福感を景観スケールで計測し、それらの駆動要因を明らかにする。特に本研究では、緑地内の環境要因だけではなく緑地に生息する野生動植物にも焦点を当てて、生物多様性が地域住民の心理的幸福感にどれほど貢献するのかを評価する。

今年度の研究概要

H29年度は昨年度習得したデータをより詳細に解析するとともに、論文を執筆する。特に生物多様性が地域住民の心理的幸福感にどれほど貢献するのかを評価するために、都市公園を中心に自然体験頻度と健康の関係に注目した分析に取り組む。

外部との連携

本研究の研究代表者は東京大学大学院の曽我昌史である。

課題代表者

久保 雄広

  • 生物多様性領域
    生物多様性保全計画研究室
  • 主任研究員
  • 博士(農学)
  • 経済学,心理学,農学
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