- 予算区分
- BA 環境-推進費(委託費) 2-1501
- 研究課題コード
- 1517BA001
- 開始/終了年度
- 2015~2017年
- キーワード(日本語)
- 気候変動対策,比較分析,公平性,指標
- キーワード(英語)
- climate change policy,comparative study,equity,indicator
研究概要
気候変動対処を目的とした国際制度の下で、各国は、2020年まではカンクン合意に基づき2年毎に進捗報告書を提出し、2020年以降は2015年末の条約第21回締約国会議(COP21)にて合意予定の新枠組みの下で、国内で決定した約束の達成に向けて対策を強化していく予定である。最終年に排出量目標達成の有無だけを確認すれば済む京都議定書に類する制度と異なり、進捗の定期的な確認が重要という認識が高まっており、その体制化が急がれている。国の対策の進捗を検証し更なる取り組みを促すため、あるいは、公平性の観点から国の努力度を比較するには、排出量目標水準を議論するのみならず、実施済みの政策の効果に基づいたMRV(測定・報告・検証)プロセスを国際制度の一部として組み込むことが有用である。本研究は、このような国の努力度を比較・評価する新たな手法を開発し、国際制度の一部として確立させる方法を検討することを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:政策研究
- 従たるもの:行政支援調査・研究
全体計画
初年度(2015年度)では、テーマ全般にわたって必要となる日本、米国、EU、中国の気候変動政策に関する基礎的な情報を収集する。主要な気候変動政策をリスト化し、調査対象国のデータを集中的に収集し、横断的に比較可能な形にする。主要な政策については、政策導入による排出削減ポテンシャルに関する情報も収集する
2年度では、前年度の知見をまとめて、調査対象国内で導入されている政策の水準をベースとした国の「努力度」を測るモノサシ案を作成する。また、このモノサシを用いて計測した国の努力度を「一人当たり排出量」など国の目標値を比較する既往の公平性指標による評価と比べて、モノサシ案の妥当性を確認する。
最終年度では、本研究で研究対象とした日本、米国、EU、中国以外の国にも適用可能な指標となるよう、いくつかの具体的な政策あるいは技術を選び、指標の妥当性を検証する。また、それを国際的な国の進捗チェックプロセスの中に位置づけるための国際制度のあり方を提示する。
今年度の研究概要
昨年度確定した指標体系を用いて、G20の国に適用し、途上国を含めてすべての国への適用可能性と有用性を検証する。その結果、特に情報量の少ない途上国で適用が困難だった場合は、指標の簡便化等を検討する。
外部との連携
名古屋大学、早稲田大学、公益財団法人地球環境戦略研究機関