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日本海及び周辺域の大気・海洋における有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究(平成 27年度)
Study on potential threats by organic pollutants of the Japan Sea and the surrounding area

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 5-1306
研究課題コード
1315BA006
開始/終了年度
2013~2015年
キーワード(日本語)
多環芳香族炭化水素,残留性有機汚染物質,日本海
キーワード(英語)
PAHs, POPs, Japan Sea

研究概要

東アジア地域の目覚しい産業経済発展に伴い、有害化学物質や黄砂などが大量に発生し、中国北京のPM2.5問題のように各地で都市大気の汚染が報告され、日本への長距離輸送の影響のみならず、海洋への移入量も増している。加えて、燃料輸送量の増加に伴ってタンカー事故も増し、日本海の汚染の進行が懸念されている。北東アジアの環境汚染については、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク等のように国際協力体制が進み始めているが、燃焼由来の多環芳香族炭化水素(PAH)やさらにより毒性が強いそのニトロ体(NPAH)の大気汚染に関する国際研究協力は成されていなかった。海洋については、2001年にPOPs条約が成立し、地球規模での監視が盛り込まれたものの、日本海域の調査は殆どなされていない。そこで、日本海とその周辺地域を対象に、大気及び海水中のPAH及びNPAH(PAHs)とPOPs条約指定物質のモニタリングを展開し、大気中二次生成反応を含めたこの地域におけるこれら有害化学物質の動態を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本課題は以下の4つのサブテーマからなる。

(1)大気・海洋環境中のPAHs及び放射性核種の起源と動態の把握
(2)大気・海洋環境中のPOPs条約指定物質の起源と動態の把握
(3)大気・海洋環境中の PAHs類二次生成と毒性化の解明
(4)日本海及び周辺域の有機汚染物質の発生・輸送と海洋負荷の解析

国立環境研究所が担当するサブテーマ2では、POPs(主にHCH、DDT、有機フッ素化合物、臭素系・塩素系難燃剤)を調査対象として、環日本海4か国(日本、中国、韓国、ロシア)のPOPsの発生源の違いと寄与を明らかにする。また、日本海と周辺海域のPOPsの汚染分布と日本海への負荷を明らかにする。得られた結果とサブテーマ4で実施するモデル解析を合わせて、北東アジアの大気・海洋POPs負荷量を求め、将来の負荷量予測を行う。

今年度の研究概要

平成26年度の観測を継続するとともに、得られた試料のPOPs分析を進める。本研究で得られたPOPsの大気データの変遷、海洋における水平、鉛直分布、ならびに海洋学的基礎データを併せて解析し、日本海及び周辺域の大気・海洋環境におけるPOPsの起源と動態を解明する。

外部との連携

共同研究機関:金沢大学(課題代表者: 早川和一)、京都大学、日本環境衛生センター

課題代表者

荒巻 能史

  • 地球システム領域
    物質循環観測研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(地球環境科学)
  • 化学,地学,水産学
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担当者