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無機ヒ素曝露が生殖系・次世代生殖細胞形成へ及ぼす影響と機構の解析(平成 26年度)
Analysis of the effect of inorganic arsenite on reproductive function

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1415AQ007
開始/終了年度
2014~2015年
キーワード(日本語)
ヒ素,卵母細胞,次世代
キーワード(英語)
Arsenite, oocyte, next generation

研究概要

環境汚染物質の慢性的生殖毒性の実験動物モデルを構築する。実験動物モデルを用い、汚染物質の化学形態に則した定量系の構築と細胞内における分子機構を明らかにすることで、ヒトにおけるリスク評価のガイドラインを構築する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

マウスの卵母細胞・胚を用い、有害作用を及ぼす代謝物の化学的形態と、その作用機序を明らかにし、世代を経た慢性影響に関する生物学的な根拠を掴みたい。

今年度の研究概要

マウスに対し、2日ごと2週間にわたり無機ヒ素(iAs3+)の腹腔内投与(曝露)を行う。腹腔内投与は軽度のストレスを伴う可能性があるが、短時間の処置である。曝露終了後に頸椎脱臼で安楽死させ、卵巣から卵母細胞を単離する。質量分析法を用いて卵母細胞へのヒ素の到達の有無・化学的性質を分析する。免疫抗体染色や生化学的な手法を用いて、既知のヒ素結合タンパク質に着目したヒ素への細胞応答の解析と分子機構の解析を行う。本実験は主に無機ヒ素の卵母細胞に対する直接的な作用機構の解明を目指しており、無機ヒ素曝露により生じることが予想される、他の臓器や卵巣内の他の細胞種の2次的な影響を低減する実験系の構築を第一に必要とする。そのため、無機ヒ素の濃度あるいは投与法の最適化に向けた検討に20-30匹使用予定である。投与条件の最適化後は、2用量を設定し、対照群を含め3群で実験を行い、再現性の確認を含めてさらに20-30匹使用予定である。一方、次世代の生殖細胞形成に対する無機ヒ素の影響を明らかにするため、上記で決定した無機ヒ素曝露終了後直ちに♂マウスとの交配を行う。次世代の生殖細胞形成・性分化が生じる妊娠10-13日目付近で母体を頸椎脱臼で安楽死させ、次世代を摘出する。次世代は断頭により速やかに安楽死させる。次世代の発生に著しい影響があり解析が困難な場合、妊娠8-11日程度の母体への飲水投与法を試みる。解析は組織学的な異常の有無・発生マーカーの免疫蛍光抗体染色を中心に進める。実験は上記と同様に3群で行い、検討を含め20-40匹使用予定である。

外部との連携

久留米大学分子生命科学研究所高分子化学研究部門

課題代表者

宇田川 理

  • 環境リスク・健康領域
    統合化健康リスク研究室
  • 主任研究員
  • 薬学博士
  • 生物学
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担当者