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津波により堆積物と混合・沈降した流出油の分布・消長と底質環境影響評価に関する研究(平成 24年度)
Assessment of benthic environment contaminated with Tsunami-upwelling sediments containing spilled fuel and aromatic haydrocarbons

予算区分
AN 新発想
研究課題コード
1212AN003
開始/終了年度
2012~2012年
キーワード(日本語)
東日本大震災,津波,気仙沼湾,流出油,多環芳香族炭化水素
キーワード(英語)
Great Earthquake in the East Japan, Tsunami, Kesennuma Bay, oil spill, Polyaromatic hydrocarbon (PAH)

研究概要

東日本大震災で発生した津波により破損した陸上施設から流出しヘドロと共に海底に沈降した石油汚染の実態と影響評価について,炭化水素種の分析や底生生物の生息状況を把握している調査研究例は見られない。今後,東北太平洋沿岸における水産業等の復興を鑑みて,沿岸海域の環境の実体把握が急務である。また各炭化水素の分解・消失を考慮して,成分変化が進行しない内に調査を行う必要が有る。
以上を踏まえて現場調査を通じて?石油汚染状態と底生生物への影響の把握,?各炭化水素の減少・消失度合について評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

沿岸備蓄石油タンクの大半が倒壊流失し,1.3万キロリットルの船舶燃料用の重油が流出したという気仙沼湾を研究調査対象域とし,年4回程度の現場調査を行い,以下の項目について実施する:
?石油海底汚染の実態把握:現場は複雑な海岸・海底地形や近隣の島嶼の存在等のため,石油の海底汚染の分布は一様ではないことが既往調査で示されている。しかしながら,石油中に含まれる典型的な炭化水素の分布については不明であるために,湾内の広域な調査により海底の炭化水素の汚染実態・分布を把握する。
併せて底生生物の生息状況の量的・質的な把握を行い,石油汚染との関係を評価する。
?今回,震災で大量に流出した船舶燃料用のA重油に含まれる各炭化水素の経時的分解,組成変化を把握し,将来的な底質環境からの石油分の浄化の予想を行う。

今年度の研究概要

主に気仙沼湾を対象にして現場調査を通じて以下の項目について実施する:
・石油汚染底泥の移動ルート解明のための湾内の石油汚染分布把握
・底泥中の各炭化水素(石油汚染)の鉛直分布の把握
・石油汚染の底生生物への影響評価
・底泥中の石油分の消失速度(時間)の推定

外部との連携

東北大学大学院,宮城県保健環境センター,東北工業大学,大船渡市

課題代表者

牧 秀明

  • 地域環境保全領域
    海域環境研究室
  • 主幹研究員
  • 工学博士
  • 生物工学
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担当者