- 予算区分
- AG 特別研究
- 研究課題コード
- 0911AG004
- 開始/終了年度
- 2009~2011年
- キーワード(日本語)
- 二次生成有機エアロゾル,毒性スクリーニング,化学組成分析,エアロゾル質量分析計,熱脱離−ガスクロマトグラフ質量分析,SOAの動態解明
- キーワード(英語)
- Secondary Organic Aerosol, Screaning of Toxicity of Secondary Organic Aerosols, chemical analysis, aerosol mass spectrometer, Thermal desorption−GC-MS, Environmental Behavior of SOA
研究概要
二次生成有機エアロゾル(Secondary Organic Aerosol : SOA)は、VOCから大気中の光化学反応の酸化過程によって生成し、大気中に浮遊する粒子状物質の主要な成分となっている。SOAは光化学反応で生成し酸化物を含むため、酸化性ストレスの観点から健康被害をもたらすと考えられるが、毒性や健康影響については明らかとなっていない。さらに、SOAはいたるところに存在するので、国内の大気環境や越境大気汚染の観点からもその環境動態を解明することはSOAの対策という点で意義がある。本研究では、SOAの毒性評価を行い、毒性を示すSOAの組成分析を行う手法を開発し、SOA観測とシミュレーションによる動態解明を行い、SOAの対策に資する結果を得ることを目標とする。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:行政支援調査・研究
全体計画
初年度および2年目は、二次生成有機エアロゾル(SOA)について、細胞毒性評価システムを構築し、光化学チャンバーで生成したSOAの毒性スクリーニングをおこなう。また、高時間分解能エアロゾル質量分析計(HR−ToFAMS)に光イオン化システムを導入し、SOAの組成分析システムを開発する。これに、極微量分析が可能な熱脱離−GC-MS法による分析も合わせて、毒性を示すSOAの組成分析を行う。
3年目にはモデルによるシミュレーションと関東地域での大気観測を行い、毒性を示すSOAの動態を解明し、リスク対策に資する基礎データを得る。
今年度の研究概要
今年度は昨年度の成果を踏まえ、トルエン、アルファピネンなど代表的なVOCから生成するSOAを細胞に曝露して毒性が評価できるシステムを構築する。
光イオン化HR−ToFAMSシステムを構築しSOAの組成分析法の開発をすすめる。さらに、熱脱離−ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)法なども用いてSOAの組成分析を行う。
これまで開発してきた関東域での粒子状物質の時空間分布のモデル計算をより精緻化する。特に二次生成有機エアロゾルの取り扱いについて検討し、モデルの改良をはかる。