ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

有害物質管理・災害防止・資源回収の観点からの金属スクラップの発生・輸出状況の把握と適正管理方策(平成 22年度)
Development of appropriate management measures for scrap metal export from the perspective of hazardous materials control, fire prevention and material recovery

予算区分
BE 環境-循環型社会
研究課題コード
0810BE003
開始/終了年度
2008~2010年
キーワード(日本語)
金属スクラップ,輸出,有害物質,火災,資源回収
キーワード(英語)
scrap metal, export, hazardous materials, fire, material recovery

研究概要

近年、中国などに大量に輸出されている金属スクラップについて、有害物質の混入や火災など発生している一方、実態に関する知見が不足し、適切な安全管理、行政指導を行い得ていない。このため、発生源・分類・組成調査や火災実験などを通じて、有害物質管理・防災・資源回収の観点から、金属スクラップの発生・輸出の実態を解明し、適正管理方策を提示することを目的とする。あわせて、法制度面からの検討も行い、輸出入両国での現在の法的規制の課題や、輸出の現状と国内のリサイクル制度との関連性を検証し、改善策を提案する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

20年度 主に「その他の鉄スクラップ」に着目して、発生源と内容を分類する。有害物質や火災と関係の深そうな種類の金属スクラップについて組成調査を実施する。火災事故事例の分析等により、原因物質の特定を行うとともに、ラボスケールでの実験によって、火災発生・拡大の基礎的知見を明らかにする。循環資源の輸出入規制と実施状況を整理するとともに、国内のリサイクル制度や廃棄物関連法が金属スクラップの輸出などに対して与えている影響を考察する。
21年度 金属スクラップについて組成調査を継続し、代表性の向上を図る。有害物質などの特定と混入割合を求めるとともに、国内リサイクルの阻害要因を明らかにする。大規模な火災実験によって火災発生の拡大機構を解明する。事故時対応、拡大防止、情報共有化など基礎的な安全管理項目を提案する。循環資源の輸出入規制と実施状況の継続調査によって、金属スクラップに対する有害物質混入防止のための課題を抽出するとともに、有害物質や使用済み家電などが金属スクラップに混入しないための国内リサイクル制度の課題を取りまとめる。
22年度 金属スクラップの代表的な分類と組成を示し、発生源からのフロー推定結果を提示する。必要な輸出品目分類見直し案などの提示を行う。火災実験等の結果を取りまとめ、火災防止・消火対策を含めた安全管理情報提供システムを構築する。有害物質管理・防災・資源回収の観点から必要な適正管理方策を提示する。

今年度の研究概要

組成調査・物質フロー分析:金属スクラップの代表的な分類と組成を示し、発生源からのフロー推定結果を提示する。また、国内外での適切な有害物質管理・資源回収などのために必要な輸出品目分類見直し案などの提示を行う。
火災発生原因の解明と対策:火災実験等の結果を取りまとめ、組成調査結果、事故事例の詳細解析との結合によって、事業者、行政当局が活用可能な火災防止・消火対策を含めた安全管理情報提供システムの構成要素を検討し、素案を作成する。
法的検討:有害物質管理・防災・資源回収の観点から必要な適正管理方策を提示する。すなわち、上述の輸出品目分類見直しとあわせて、輸出入規制とその実施状況などに対する提案を行う。加えて、有害物質拡散防止や資源回収効率の向上に資する発生源対策と国内での回収・リサイクル制度を提案する。

備考

共同研究者:村上進亮(東京大学大学院)、古積博・岩田雄策(消防研究センター)、山崎ゆきみ(海上保安試験研究センター)、若倉正英・和田有司(産業技術総合研究所)、鶴田順(海上保安大学校)

課題代表者

寺園 淳

  • 資源循環領域
  • 上級主席研究員
  • 博士(工学)
  • 工学
portrait

担当者