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生物多様性の保全をめざす広域的土地利用の最適化ツールの開発(平成 22年度)
Assessment tool for national land-use planning for biodiversity conservation

予算区分
AG 特別研究
研究課題コード
1013AG001
開始/終了年度
2010~2013年
キーワード(日本語)
生物多様性評価,マクロエコロジー,保全生態学,土地利用計画,最適化
キーワード(英語)
biodiversiy assessment, macroecology, conservation ecology, land-use planning, optimization

研究概要

本研究課題では、日本全国スケールでの土地利用の変化に対する生物多様性の応答を予測するモデルを開発し、与えられた制約条件下で生物多様性保全の観点から効果的な土地利用を探索する最適化ツールを構築することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

本課題の対象スケールは日本全国とし、10kmグリッド程度の空間単位(解像度)で空間明示的な分析を実施する(全国で約4500グリッド)。土地利用の変化は、グリッド内の畑地・草地・集約的水田・中山間水田・休耕田・二次林・植林地などの比率の変化として把握する。なお、本課題では、土地利用の変化に対する生物多様性の応答予測に重点を置くが、開発するツールの妥当性評価のために、試行的に行う社会シナリオやコスト計算についても可能な限り現実的な入力値を算出して用いることを目指す。
サブテーマ1では、既存の人口動態予測をもとに対策を行わない場合の土地利用変化を予測する。次に、現在の地価をもとに、改善によって失われる土地利用機能の補てんなどの経済コストを定量化する。また、国全体で必要な農地面積などの社会的な制約条件を定量化する。サブテーマ2では、多数の生物種を対象とし、土地利用から空間単位ごとの存在確率を推定する生物分布推定モデルを構築し、土地利用が変化した場合の存在確率の応答の予測を可能にする。その上で、空間単位ごとに推定された、多数の生物種の存在確率をもとに複数の生物多様性の指標を算出する。サブテーマ3では、サブテーマ1および2の結果を統合し、さまざまな公的な投資総額や社会的制約条件の組み合わせの下で、生物多様性指標値を最大化する土地利用を探索することができる最適化ツールの開発を行う。

今年度の研究概要

サブテーマ1、2で用いる既存の生物分布データおよび社会コスト計算に必要なデータの収集・整備。紙媒体の生物分布情報のデジタル化。サブテーマ3の最適化ツールの骨格部分の構築。

関連する研究課題
  • 0 : 領域プロジェクト

課題代表者

角谷 拓

  • 生物多様性領域
    生物多様性評価・予測研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 生物学
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担当者