- 予算区分
- AA
- 研究課題コード
- 0610AA204
- 開始/終了年度
- 2006~2010年
- キーワード(日本語)
- 国際資源循環,アジア,電気電子廃棄物(E-waste),残留性有機汚染物質,技術システム
- キーワード(英語)
- INTERNATIONAL MATERIAL CYCLES, ASIA, E-WASTE, PERSISTENT ORGANIC POLLUTANTS(POPS), TECHNOLOGY SYSTEMS
研究概要
アジア地域での適正な資源循環の促進に貢献すべく、途上国を中心とする各国での資源循環、廃棄物管理に関する現状把握を通して、アジア地域における資源循環システムの解析を行う。また、技術的側面からの対応として、液状系を含む有機性廃棄物の適正処理及び温暖化対策を両立する、途上国に適合した技術システムの設計開発と適用による効果の評価を実施する。これらを総合し、該当地域における資源循環システムの適正管理ネットワークの設計及び政策の提案を行う。具体的には、
1) 国際資源循環の現状や環境影響を考慮した、指標を含む資源循環の評価手法を確立する。
2) アジア諸国の数都市において、有機物の埋立処分地への投入を回避し、液状廃棄物の資源循環に資するなどの環境低負荷型技術システムの提案やCDM事業化の方法を示し、そのネットワーク化を図る。
研究の性格
- 主たるもの:政策研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
18年度 (1)アジア地域における国際資源循環及び関連する国内資源循環の現状について、物質フローの概略を把握するとともに、各国における関連政策及びその評価手法開発のための調査を実施する。(2)アジア地域におけるE-wasteをはじめとする資源循環過程に伴うPOPsや水銀などによる環境汚染の発生状況について、既存の測定分析方法と結果をレビューするとともに、予備調査を実施する。(3)途上国に適した技術システムの設計開発のため、アジア諸国における廃棄物管理システムについて、現況調査と比較研究による既存技術の最適化因子を抽出する。埋立地全体からの温室効果ガス排出量観測法に関する地表面法などの検討を行う。バイオ・エコシステムを適用した技術導入については、汚水性状、バイオマス性状、汚濁負荷の質・量特性の調査に基づく地域特性評価を実施する。19年度 (1)国際資源循環及び関連する国内資源循環の現状把握について、物質フローの精緻化と品目拡大を試みる。各国における資源循環政策の輸出入への影響を調査し、国際資源循環の評価手法の開発に着手する。(2)アジア地域におけるE-wasteなどの資源循環過程からのPOPsなどの残留性有機汚染物質や水銀などの無機汚染物質の発生状況について、土壌などの試料の採取・測定分析・毒性評価・モニタリング方法を検討する。(3)抽出された最適化因子を用いた技術適合化をラボスケールで行う。気象学法を用いて、埋立地全体からの温室効果ガス排出量観測法を検討する。また、生活雑排水・し尿などの汚水処理技術の処理機能解析による高度化およびバイオマス廃棄物の機能解析による資源化技術の効率化を行う。20年度 (1)国際資源循環及び関連する国内資源循環のフローの精緻化を継続する。アジア地域規模での関連政策の適用可能性を検討するとともに、国際資源循環の評価手法の適用と改良を試みる。(2)アジア地域におけるE-wasteの資源循環過程からのPOPsなどの残留性有機汚染物質や、水銀などの無機汚染物質の発生状況について、土壌などの試料の採取・測定分析・毒性評価・モニタリング方法の検討を継続し、資源循環過程との関係の解釈を試みる。(3)抽出された最適化因子を用いた技術適合化をベンチスケールで行う。自動モニタリング法を用いて、埋立地全体からの温室効果ガス排出量観測法を検討する。また、地域特性を踏まえたバイオ・エコエンジニアリング技術の確立化およびバイオマス廃棄物性状に応じた発酵生成物の質的・量的変化特性の解析・評価を行う。21年度 (1)国際資源循環及び関連する国内資源循環について、背景要因を含めた総合的な解析と評価を行う。国際資源循環の適正管理ネットワーク設計及び政策提案へ向けて、必要な情報の追加的な収集等を行う。(2)アジア地域における資源循環過程での環境影響把握に適した調査方法を検討する。資源循環に起因するPOPsや無機物質による環境影響の概略を把握するとともに、排出インベントリの作成や対応策を検討する。(3)改良された技術のモデル地域等への導入試験をプラントスケールで行う。アジア諸国の温室効果ガス排出パラメータを導出する。また、地域特性に応じた温室効果ガス発生能、処理能のレベルに応じたシステム設計および緑農地還元する上での植物派生残渣、発酵残渣等の投入レベル等、汚水性状、バイオマス性状に応じた設計マニュアルを構築する。22年度 (1)国際資源循環及び関連する国内資源循環について、現状と潜在的な問題等を整理し、総合的な解析と評価を実施し、適正管理ネットワークの設計及び必要とされる政策の提案を行う。(2)アジア地域における資源循環に起因するPOPsや無機物質による環境影響の概略を把握する。排出インベントリの作成や対応策を検討する。(3)有機物の埋立処分地への投入を回避するなどの環境低負荷型技術システムの導入効果予測モデルの構築と提案を行う。埋立地からの温室効果ガス排出削減のためのCDM事業化の方法を示す。また、アジア地域での有機廃棄物、し尿・生活雑排水などについての資源循環のための技術評価に基づくバイオ・エコシステムの適正管理ネットワークを構築する。
今年度の研究概要
(1)E-wasteや廃プラスチックなどの循環資源について、国際・国内の物質フローの精緻化と品目拡大を試みる。国際資源循環について、各国の資源循環制度が与える影響を調査するとともに、資源性・有害性の観点からの評価手法開発に着手する。(2)アジア地域の資源循環過程を対象に残留性有機汚染物質や重金属類の排出係数等の知見を得るために、プラスチックの光分解実験や浸出水分析を継続するとともに、野焼き模擬実験、基板燃焼実験を実施する。 (3)アジア地域における排出源分別の導入因子を調査する。有機性廃棄物の中間処理技術と機能性覆土技術等のアジアへの適合化を開始し、LCAによる技術システム評価手法の改善と埋立地ガス排出モデルパラメータの取得を進める。また、アジア諸国の地域特性に応じた汚水処理技術の温度条件、負荷条件等に対する処理機能解析による高度化およびバイオマス廃棄物の性状・発生特性に応じた機能解析による適正処理・資源化技術の効率化を行う。