- 予算区分
- BE
- 研究課題コード
- 0608BE434
- 開始/終了年度
- 2006~2008年
- キーワード(日本語)
- アスベスト廃棄物,無害化処理,溶融,透過型電子顕微鏡,毒性
- キーワード(英語)
- WASTE ASBESTOS, DEGRADATION, MELTING PROCESS, TRANSPARENT ELECTRON MICROSCOPE, TOXICITY
研究概要
将来的な廃棄アスベストによる健康被害の拡大を防止する観点から、溶融等の無害化処理技術の評価方法等に関する研究を実施する。今後増加するアスベスト廃棄物の処理において、処理システム全体の安全性確認のため、無害化処理に係る試料群の試験方法の確立を行う。試験方法としてはアスベスト繊維の形状・繊維数・濃度を精度良く分析する分析方法と実機処理におけるモニタリング手法に必要な日常分析法を含む。また、処理物レベルとして比較対照となる、一般土壌・底質の濃度を把握するための、試験法確立及びデータ取得を目指す。さらに処理において生じるアスベスト繊維の結晶構造・物理形状・化学組成の変化が生体に及ぼす毒性変化を推定評価する。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
18年度 透過型電子顕微鏡/電子線回折/エネルギー分散型検出器 (TEM/ED/EDS)によるアスベスト廃棄物溶融処理物の試験方法の開発に着手する。熱処理過程におけるアスベスト繊維をX線回折及び電子顕微鏡(TEMとSEM)で確認し、同時に熱変化を経たアスベスト繊維の毒性評価(クロシドライト及びクリソタイルの熱処理物のin vitro細胞毒性試験)を行う。
19年度 TEM分析法を確立し、土壌・底質・廃棄物への適用性を検討しデータを取得する。TEM分析法と位相差顕微鏡分析法を比較照合する。アモサイト及びアンソフィライトの熱処理物の細胞毒性試験及びクロシドライト及びクリソタイルの熱処理物のラットへの気管投与実験による毒性評価を行う。
20年度 アスベスト廃棄物の無害化処理に必要な媒体の試料採取からアスベスト分析までの操作過程全体を見据えた試験方法を確立し、高感度分析による無害化確認試験法及び日常モニタリング法を整備する。土壌・底質中のアスベスト繊維数のデータを集積し無害化処理物の。アモサイト及びアンソフィライトの熱処理物の毒性評価を行う。総合的に評価して無害化処理システム全体の安全確認手法を提案する。
今年度の研究概要
アスベスト廃棄物の熱処理による無害化処理を確認するために必要な試料に対し、高感度・高精度の透過型電子顕微鏡/電子線回折/エネルギー分散型検出器 (TEM/ED/EDS)を中心とした試験方法の開発に着手する。熱処理から発生する排ガス及び熱処理物に適用しうる試験方法として、試料採取から前処理を経てTEMによる計数法の検討を行うとともに、熱処理過程におけるアスベスト繊維の物理形状、結晶構造、化学組成をX線回折及び電子顕微鏡(TEMとSEM)で確認し、同時に熱変化を経たアスベスト繊維の毒性評価を行う。初年度はクロシドライト及びクリソタイルの熱処理物のin vitro細胞毒性試験を行う。
備考
廃棄物科学処理等科学研究費 課題代表者:野馬幸生
共同研究機関:京都大学,核融合科学研究所,日本環境衛生センター,産業廃棄物処理事業振興財団
- 関連する研究課題
- 0 : 基盤的な調査・研究の推進(基盤的な調査・研究活動に再掲)