2018年2月28日
表彰
日本微生物資源学会賞
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受賞者:
河地正伸(生物・生態系環境研究センター) -
受賞対象:
カルチャーコレクション事業及び学会の発展に対する貢献と関連研究・活動業績 -
受賞者からひとこと:
この度、日本微生物資源学会賞を頂きました。日本微生物資源学会には、機関会員として理化学研究所など23の主要な微生物保存機関が加盟しています。微生物の分類、収集、保存等の様々な学理・技術に関わる意見・情報交換の場として、1951年の発足以来、微生物株の利用を推進、我が国の学術の発展に寄与してきた学会です。藻類という特色あるコレクションへの社会的な関心の高まりとともに、様々な付加情報を整備するなどの対応を行うことで着実に事業を発展させてきたこと、そしてコレクションを活用して行ってきた様々な研究をご評価頂いたものと捉えています。これまでに事業を支えて頂いた研究所内外の関係者の方々、そして微生物系統保存施設で働かれてきた方々に深く感謝申し上げます。
廃棄物資源循環学会優秀ポスター賞
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受賞者:
藤原 大(資源循環・廃棄物研究センター) -
受賞対象:
放射能を濃集する焼却主灰粒子のEBSDによる結晶相解析、第28回廃棄物資源循環学会研究発表会、同予稿集、355-356, 2017 -
受賞者からひとこと:
福島県内では放射能に汚染された焼却灰等が保管されていますが、保管時の長期的な安全性を確保したり放射性物質を除去したりするためには焼却灰の種類ごとの大局的な評価に加えて「どこに・どのように」放射性物質が存在しているかという基礎的・微視的な知見も必要であると考えています。今回の発表では、実際に汚染されている焼却灰の粒子ごとに汚染の分布を示すとともに、電子顕微鏡と後方電子線回折(EBSD)を用いた鉱物的な解析を行い、微小な領域での汚染された焼却灰の特徴について報告いたしました。放射能汚染の問題を契機にEBSDのような新たな分析手法に挑戦いたしましたが、このような手法は放射能汚染の問題のみならず、焼却灰の性状を評価して資源として活用するうえでも広く応用できると考えております。引き続き、福島の早期復興とともに、資源循環型社会の一助となれるよう、日々の研究に邁進していきたいと思います。
大気環境学会学術賞
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受賞者:
佐治 光(生物・生態系環境研究センター)
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受賞対象:
オゾン等大気汚染物質に対する植物の応答に関与する遺伝子とその機能の解明
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受賞者からひとこと:
光化学オキシダントの主成分であるオゾンは、植物に対する毒性が高く、農作物の生育被害や森林衰退の原因となっています。今後のグローバルな人口増加に対する食糧確保や予想される気候変動下での環境保全にとって、オゾンの植物影響とそのメカニズムの解明はたいへん重要な課題となっています。これまで私は国立環境研究所の共同研究者たちと30年以上にわたってこの課題に取り組み、様々な施設や手法を用いた研究を行ってきました。特に、遺伝子の解析技術やゲノム情報を利用して、植物のオゾン応答に関与する遺伝子とその機能について新たな知見を次々と明らかにしてきました。これらの業績に対し、大気環境学会より学術賞をいただきました。研究にご協力いただいた全ての方々に感謝いたしますとともに、今後も本分野の研究の発展に少しでも貢献できるよう、努力していく所存です。
目次
- 化学物質の少量多品種化の問題を考える
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化学物質の環境汚染を影響オリエンテッドでとらえる
-研究プロジェクト「多種・新規化学物質曝露の包括的把握・網羅的分析手法の開発と環境監視ネットワークへの展開」の紹介- - 最近の大気中PM2.5の起源と稲わら等の野焼きの影響
- 有害化学物質の生体影響評価の現状
- サンプリングの理想と現実
- 木漏れ日便り
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国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第23回締約国会議(COP23)
京都議定書第13回締約国会合(CMP13)
パリ協定第1回締約国会合再開会合(CMA1-2)
参加報告
- 新刊紹介
- 平成29年度補正予算・平成30年度政府予算案における国立環境研究所関係予算の概要
- 編集後記
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