コペンハーゲンからの報告
【研究所行事紹介】
企画部 広報・国際室
2009年12月7日から18日まで,デンマーク・コペンハーゲンで気候変動枠組条約第15回締約国会議・京都議定書第5回締約国会合(COP15/CMP5)が開催され,世界の注目を浴びました。COP15/CMP5には,各国政府代表団だけでなく,国際機関,シンクタンク,環境保護団体,産業界,研究者,報道関係者が参加しています。
さて,国立環境研究所(NIES)はCOP15/CMP5において,サイドイベントの開催や研究成果の展示ブースの設置を通じた活動を行いました。以下にその内容についてご紹介します。
○公式サイドイベントの開催
12月10日に地球環境戦略研究機関(IGES)及び全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)と共同で,「低炭素アジア-ビジョンと行動-」と題するサイドイベントを開催しました。ここではNIESが開発した低炭素社会へのロードマップ検討手法をアジアの国や都市に適用し,高い生活水準を保ちつつも大幅な温室効果ガス削減が可能なことが示せたことを踏まえ,中国,インド(アーメダバード),日本(滋賀県及び京都市)を対象にした研究成果を中心に,その実現方策などを説明しました。各国からの参加者により会場は満員となり,質問や意見交換が活発に行われました。甲斐沼室長と藤野主任研究員は,本イベントの他,アジアの共同研究者とともに各国機関が開催した関連するサイドイベントにプレゼンターとして参加し,研究交流と成果の普及に尽力しました。
また,12月7日には,コペンハーゲン市内のホテルで科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)が主催する国際シンポジウムが開催され,大垣理事長がIPCCのパチャウリ議長らとともに参画しました。大垣理事長はシンポジウムのモデレータを務め,気候変動に関する研究所の活動や役割について説明しました。その結果は10日夕方に開催された日本政府の公式サイドイベントで報告されました。
○NIES紹介ブースの開設と運営
メイン会場内に設置されたNIES紹介ブースでは,温室効果ガス観測技術衛星いぶき(GOSAT)による最新の温室効果ガス観測データや持続可能な低炭素社会(LCS)構築に関する研究などを紹介しました。
○政府代表団の一員としてのサポート
温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)の小野アシスタントフェロー及び畠中高度技能専門員は,NGOとしてではなく温室効果ガスインベントリの専門家として政府代表団に加わり,関係する会合に参加するとともに,日本政府の公式サイドイベントで途上国に対するインベントリ作成支援活動について小野アシスタントフェローより報告を行いました。
○コペンハーゲンの様子をホームページで発信
国立環境研究所の様々な活動について,現地から4回にわたってレポートし,COP15/CMP5の雰囲気とNIES職員の活動ぶりをホームページに掲載しました。詳細は下記サイトをご覧ください。