新刊紹介
国立環境研究所年報 平成15年度 A-29-2004 (平成16年6月発行)
本書は,国立環境研究所の平成15年度の活動状況を総括的に紹介することを目的に編集したもので,6つの研究領域,6つの重点特別研究プロジェクトグループ,2つの政策対応型調査・研究センター,地球環境研究センター,環境研究基盤技術ラボラトリーからなる研究組織,重点特別研究プロジェクト並びに政策対応型調査・研究,7つに大別された重点研究分野を構成する個別の研究課題,先導的・萌芽的研究及び知的研究基盤に係る研究課題のそれぞれについて,その概要が記載されています。さらに,環境情報センター及び地球環境研究センターの業務の概要,研究施設・設備の状況,研究成果の一覧,その他研究所の活動の全体像を知る上で有用な様々な資料を掲載しています。また,読者の理解の助けになればと考え,平成13年4月に独立行政法人化された際,研究所が今後5年の間に行うべき業務の方向性を示した「中期目標」及び,それを具体化した「中期計画」に掲げた7つの重要な研究分野で実施されている研究の全体像も提示しています。ご批判・ご意見をお願いしたい。
国立環境研究所研究計画 平成16年度 AP-4-2004 (平成16年6月発行)
本書は,平成16年度(2004年度)に国立環境研究所において実施する研究計画の概要を示したもので,平成13年の独立行政法人化後の第4号となります。今回は,原稿のWeb入力とデータベース化を行って,入稿や編集,製版の自動化を図りました。
本書は,6つの重点特別研究プロジェクト及び2つの政策対応型調査・研究並びに平成16年3月末までに実施することが決まった個別研究課題より構成されています。個別課題は337課題に及び,他機関が研究代表者であって分担者として参画するものも含み,本研究所で実施されている研究のほとんどを網羅しています。「重点特別研究プロジェクトおよび政策対応型調査・研究」では,全体的な計画を包括的に記載するとともに,主として当該プロジェクト及び調査・研究を構成している個別研究課題の一覧を末尾に掲載して全体像を示しました。個別研究課題については,「重点研究分野ごとの研究課題」,「先導的・萌芽的研究」及び「知的研究基盤」に分類して掲載しています。
国立環境研究所研究報告 R-185-2004 (平成16年6月発行)
「1900年までに日本に来訪した西洋人の風景評価に関する記述」
日本の国が西洋の人々に美しいと言われた時代が有りました。今では信じることが出来ないような話です。そのような時代の西洋人の記述を調べ,本当の日本の魅力を探したいと思い,始めた作業が一冊の報告書にまとまりました。本報告書は1900年までに来日した西洋人の日本の風景に関する記述の訳文を収集し,まとめたものです。このような記述は,これからの日本の風景計画を立てるのに役立つと思われます。1549年にポルトガル人が種子島に到着してから1900年までに渡来した人の記述から,88人,16ヵ国のものを選びました。多い国はイギリス,アメリカ,ドイツ,フランスです。彼らの記述は,最初は海岸や主要街道からのものでしたが,次第に開港地周辺域に広がり,内陸や辺境へと広がっていきました。彼らは外交官だけでなく,色々な職種の指導者や,旅行者,報道関係者など多様な人々でした。彼らの多くは,日本の近代化に大きく貢献した人々や日本の良き理解者でもありました。彼らの記述は過去の日本が持っていた美しい風景を記していました。さて皆さんの目にはどのように映るでしょうか。
国立環境研究所研究報告 R-186-2004(平成16年6月発行)
「国立環境研究所公開シンポジウム2004-国立環境研究所の30年-天・地・人と向き合って」
本報告は,2004年6月23日(水)にメルパルク東京ホール,同30日(水)にぱるるプラザ京都において開催した,国立環境研究所公開シンポジウム2004『国立環境研究所の30年-天・地・人と向き合って-』の要旨集です。公開シンポジウムも本年で7回目を迎え,昨年に引き続き東京と京都の2都市で開催いたしました。2004年は研究所設立30年にあたることから,講演テーマには,所内の各研究分野における「30年前と現在の対比,あるいは,この30年間の変化および推移」を選びました。本報告には,講演発表6題について各1ページ,ポスター発表19題について各半ページの要旨が図表入りで掲載してあります。本報告によって,様々な分野に及ぶ発表の概要を知っていただけることと思います。なお巻末には,所内の研究組織と所属する研究員の氏名ならびに研究課題の一覧を掲載してあります。本報告が,公開シンポジウムの雰囲気をお届けし,国立環境研究所の様々な活動についてご理解いただくための一助となれば幸いです。
「環境儀」No.13 難分解性溶存有機物-湖沼環境研究の新展開」(平成16年7月発行)
難分解性溶存有機物とは,水に溶けていて(ろ過性で)かつ分解されにくい有機物の総称です。従来,湖沼などの有機性汚濁量はCODを指標として評価されてきましたが,環境基準の達成率が低い状態が続いています。国立環境研究所では,その原因の一つとしてこの物質の挙動に着目し,平成9~11年度に「湖沼において増大する難分解性溶存有機物の発生原因と影響評価に関する研究」,平成13~15年度に「湖沼における有機物の物質収支および機能・影響の評価に関する研究」を行ってきました。本号では,研究代表者(今井章雄 湖沼環境研究室長)へのインタビューを中心にして,分析手法とその自動化,この物質の特性,湖沼環境中での挙動,健康リスクなどについて,研究の取組み,成果をわかりやすく紹介しています。