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公開シンポジウム報告

研究所行事紹介

石村 隆太

 国立環境研究所の研究活動や成果を幅広く社会に知っていただくことを目的とした,国立環境研究所・2002年度公開シンポジウムが,さる6月18日(東京メルパルクホール:港区芝公園)および25日(京都リサーチパークバズホール:下京区中堂寺南町)に開催されました。これで第7回目を迎えましたが,従来の東京会場以外に,京都会場でも初めて開催を試みました。今回のシンポジウムのメインテーマは「環境研究,次の一手」でした。過去6回のシンポジウムでは新世紀にちなんだテーマでしたが,今回のテーマは,独立行政法人化にともない基礎研究における新たな展開に加え,環境保全への応用も視野にいれて研究を発展させていくという意味をこめ掲げられたものです。各講演においては,発表者がそれぞれ,自らの考える“次の一手”を披瀝しました。梅雨の合間の好天も幸いして,東京会場ではおおよそ900名,京都会場では250名の方の参加を得ることができました。

 シンポジウムは理事長のあいさつで始まり,午前の部には,「現象解明」のセッションで,未知なる現象を解き明かす内容で,2講演が行われました。午後の部は,西岡理事による特別講演で始まりました。近未来における人と環境とのかかわりについて大局的観点からの考察がなされ,“次の一手”が論じられました。引き続き,「影響評価」のセッションでは,社会的な環境問題の実態をあきらかにするという内容で,2講演が行われました。最後に,「環境技術」のセッションでは,汚染等の環境問題についてどのような方法で対処していくのかという内容で,2講演が行われました。すべての講演は,時間通りに進み,手持ち時間いっぱいに学術シンポジウムにふさわしい質疑応答が行われました。

 東京会場では,玄関口とホール内をつなぐロビー空間に今年度分の22枚,およびスロープ等の空間を利用し,過去2年度分の36枚のポスターを展示しました。過去分の展示は初めての試みです。持ち時間の2時間を通して,終始,活発な質疑応答が行われました。京都会場では,今年度分の22枚のみを,発表者なしで展示しました。しかし,参加者の中には質疑応答を希望される方も多く,今後は発表者に参加してもらうことが反省点としてあげられました。

 アンケートで寄せられた参加者の御意見をみますと,内容に関して好意的な意見が大半をしめておりました。従来よりシンポジウムの準備に際しては,関心が極めて多様と思われる聴衆にできるだけ満足をしていただけることを念頭に,わかりやすく,しかしレベルは一流の内容をお伝えすることを目指して努力をしてまいりました。その結果が,シンポジウムの成功につながっていると感じた次第です。これまでと同様,講演およびポスターに用いた図表,ならびにアンケートで寄せられた質問に対しての回答を,国立環境研究所のホームページに掲載しています。

東京会場の写真
東京会場の様子
京都会場の写真
京都会場の様子

(いしむら りゅうた,セミナー委員会幹事,環境健康研究領域)