環境にやさしいライフスタイル --- あなたはどこまでできますか?
研究ノート
青柳 みどり
「環境にやさしい」ライフスタイルというと、あなたは何を思い浮かべますか?「もう実行しているぞ」と通勤の自転車をこぎながら胸を張る方もおられるのではないですか。今年の夏休みに、終日エアコンを効かせた居間で高校野球の観戦をしていたあなたも、自転車通勤にしてみませんか。
さて、人間誰でもエネルギーを消費せずには生活できません。ましてや、現在の私達のように文明社会に暮らしている場合には。そのエネルギーの消費が地球環境の悪化の大きな原因なのだと言われれば、少しでも省エネルギーを工夫するのが当然というもの。
では、一体どうすれば良いのかしら。本屋に並んでいる「地球にやさしい」暮らし方を手にとってみましょうか。ごみのリサイクルに協力しましょう。自動車よりも、自転車や公共交通機関を利用しましょう。タクシーなどの相乗りも効果的です。ほら、いくらでもあるでしょう。
これらの工夫は一体どの程度実行性があるのでしょうか。どの程度の効果があるのでしょうか。私たちは、一般家庭を対象に「生活に関連した地球環境問題解決への対応策」に関するアンケート調査を行って、実情を把握することにしました。結果の一部を図に示します。実はタクシーや自家用車の相乗り、ガレージセールなどはどうも一般家庭での実行性は低そうです。逆に、蛍光灯の使用や、冷房使用時の直射日光の遮断は実行性が高いようです。冷暖房の使用抑制は中間程度のようです。
現在のところ、約60項目について、アンケート調査によって実行性を確認しました。今後は、これらの個々の行動が、どの程度の省エネ効果をもち、全国的に実行された場合、全体としてどの程度の省エネルギー、ひいては二酸化炭素削減の効果を持つのかを積算する予定です。

目次
- 環境情報ネットワークを通じてみた環境庁・国立環境研究所・地方公害研究所のよりよき関係巻頭言
- 新任にあたって論評
- 退任にあたって論評
- 衛星観測プロジェクト−−− ILAS、RISプロジェクト −−−プロジェクト研究の紹介
- 粒子状物質を主体とした大気汚染物質の生体影響評価に関する実験的研究 −ディーゼル排気粒子(DEP)からの酸素ラジカル生成とアレルギー性疾患との関連について−プロジェクト研究の紹介
- 酸性霧研究ノート
- 脂肪の熱分解によって生成する脂肪族低級アルデヒド類経常研究の紹介
- 大気中の化学反応過程の解明経常研究の紹介
- 平成3年度における地方公害研究所との共同研究についてその他の報告
- NASAラングレー研究センターにて海外からのたより
- 表彰・主要人事異動
- 編集後記