衛星観測によるオゾン層研究プロジェクトのあゆみ
研究の全体構成
1995〜1997(平成7〜9年)
「オゾン層破壊関連大気微量物質の衛星利用遠隔計測に関する研究」
1996年8月打上げ「地球観測プラットフォーム技術衛星ADEOS(みどり)」搭載センサー,改良型大気周縁赤外分光計ILASによるオゾン層の観測に向け,太陽掩蔽法センサーによるエアロゾル計測に関する基礎的研究を行った。
1996〜1998(平成8〜10年)
「衛星データ等を活用したオゾン層破壊機構の解明及びモデル化に関する研究」
上記課題と並行して,オゾン層破壊に関連した諸問題を解明するため,オゾン層破壊における極渦変動の影響,極域・中緯度域相互作用とオゾン層変動の関係,統計的手法によるオゾン層変動の解析,化学輸送モデルによる極渦の物理・化学過程に関する研究,不均一反応によるオゾン破壊促進機構に関する研究,中層大気における力学・光化学結合過程に関する観測的研究等を行った。
1998〜2000(平成10〜12年)
「衛星利用大気遠隔計測データの利用実証に関する研究」
1996〜1997年に運用を行ったILAS及び2003年から運用を行っているILAS-IIのデータ利用に関連して,太陽掩蔽法センサーによる温暖化関連物質の導出手法の研究,ILAS-II等による観測気体の分子分光パラメータの高度化,極域成層圏エアロゾルに関する地上及び衛星観測データの解析,ILAS等衛星データの品質評価と高層大気環境の解析,ILASデータを用いた3次元化学輸送モデル(REPROBUS)によるオゾン層破壊に関する研究,ILASデータ等を用いた雲/極成層圏雲の検出に関する研究等を行った。
2001〜2003(平成13〜15年)
「衛星データを利用したオゾン層変動の機構解明に関する研究」
引き続き,ILAS及びILAS-IIのデータ利用に関連して,衛星観測スペクトルデータからの微量気体高度分布導出手法,大気微量気体のリモートセンシングのための分光データ精密化,衛星データ検証のための極成層圏雲・地上観測データの特性評価,衛星データ等を利用した科学的解析とデータ質評価,3次元化学輸送モデルを用いたオゾン破壊量の定量化,光化学ラグランジアンモデルと気球観測データを用いた極域成層圏化学等に関する研究を行っている。
この研究は現在,以下の組織・スタッフにより実施されています。
国立環境研究所の研究担当者(2003年10月現在)
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成層圏オゾン層変動研究プロジェクト中島 英彰,杉田 考史,秋吉 英治
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(ポスドクフェロー)入江 仁士,江尻 省,寺尾 有希夫,齋藤 尚子,田中 智章
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大気圏環境研究領域笹野 泰弘,菅田 誠治
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社会環境システム研究領域横田 達也
共同研究機関
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気象庁気象研究所,(独)通信総合研究所,(独)産業技術総合研究所,文部科学省統計数理研究所,文部科学省国立極地研究所,北海道大学大学院地球環境科学研究科,東北大学大学院理学研究科,茨城大学理学部,東京大学大学院理学研究科,東京大学気候システム研究センター,名古屋大学太陽地球環境研究所,京都大学大学院理学研究科,京都大学宙空電波科学研究センター,奈良女子大学理学部,福岡大学理学部,法政大学工学部