2019年4月22日
アジアで広がる公害問題。私たちの健康と環境を守るには。
NIES国際フォーラムレポート
私たちの健康は環境の変化とも密接な関わりがあります。経済発展とともに工業化が進むアジアでは健康への影響が深刻化している国々もあります。

セッション3の登壇者たち
セッション3:環境研究と公衆衛生の改善
今回のフォーラムの開催国であるベトナムでは大気汚染による健康被害が深刻な問題となっています。世界的にも、環境汚染による影響がマラリアやエイズといった感染症よりも深刻であるとする研究結果もあるそうです。このセッションでは、安全な水の確保に関する新たな課題や、熱中症のリスクなど様々な健康影響についての発表がありました。日本とベトナムだけでなく、モンゴル、ミャンマー、タイ、ラオスの事例についても発表があり、非常に国際色豊かな内容となりました。

質疑応答の様子
パネルディスカッションでは、各発表者が今後の課題について意見を交換しました。自然科学と社会科学をつなげていくこと、研究内容を実践に移していくこと、政策決定者に科学的知見として情報提供したり協働したりすること、市民を対象に健康影響の原因と結果について情報提供すること、また次世代を教育していくことなどが課題として挙げられました。課題は山積していますが、今後も着実に研究活動を積み重ねていき、科学的知見に基づいた政策決定を促すことがまず重要です。
次号では、最後のセッション「アジアの持続可能な発展」について紹介します。
(文・杦本友里(研究事業連携部門))
(写真・成田正司(企画部広報室))
第3回NIES国際フォーラム
レポート
この記事に登場する研究者
表示する記事はありません