2019年4月22日
これからどうする?メコン河流域の「適応戦略」 最前線をレポート
NIES国際フォーラムレポート
メコン河はアジアでも有数の国際河川です。そのメコン河で、今、様々な環境変化が問題になっています。どう対処していけばよいのでしょうか。

セッション2のパネルディスカッションの様子。メコン河流域各国からの発表者が議論しました。
セッション2:メコン河流域の環境変化と適応戦略
気候変動の影響からダム建設による流域への影響まで、メコン河流域は様々な環境変化に悩まされています。このセッションでは、マングローブ生態系の変化や環境変化の空間データの観測手法、ダム建設の影響評価などについての発表がありました。
自然科学の話題だけでなく、気候変動の影響に関して社会科学からのアプローチに基づく内容も取り上げられました。オープンデータを国内の様々な議論に活用している実践例(カンボジア)なども紹介され、環境変化の観測から実社会での取り組みまで幅広く扱ったセッションでした。

セッション2の参加者たち。メコン河流域5カ国からの発表者が集いました
パネルディスカッションでは、環境変化の影響下で実際に生活している流域の住民コミュニティの声を政策に反映していくべきだというコメントがありました。また、今後の取り組みについて、専門家同士のネットワークをより強固なものとしていきつつ、政策決定のための情報提供と協働が重要であるという指摘もありました。その点においては、このフォーラムがメコン河流域各国の専門家をつなぐ機会となったのではないでしょうか。
次号では、セッション3「環境研究と公衆衛生の改善」について紹介します。
(文・杦本友里(研究事業連携部門))
(写真・成田正司(企画部広報室))
第3回NIES国際フォーラム
レポート
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