第5回生態影響試験実習セミナーの開催について(お知らせ)【終了しました】
(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ同時発表)
平成25年9月2日(月) 独立行政法人 国立環境研究所 環境リスク研究センター センター長:青木康展 主任研究員:鑪迫典久 研究員:渡部春奈 |
環境リスク研究センターでは、生態影響試験に関する標準機関(レファレンス・ラボラトリー)機能の整備を進めています。 国内外における生態影響試験の基準を確立する中核機関として、幅広い機関への生態影響試験法の普及・啓発を目的とした「生態影響試験実習セミナー」を平成25年10月9日(水)~11日(金) の3日間の日程で開催します。 今回は、オオミジンコを用いた遊泳阻害試験およびニセネコゼミジンコを用いた繁殖影響試験を取り上げます。 |
1. 開催の趣旨
事業場等からの排水やその放流先である水環境中に含まれる多様な化学物質のうち、各種法令によって規制・監視されている物質は限られています。そのため、新規の化学物質や複数の物質による複合的な影響によって、排水や環境水総体としては水生生物に対して様々な影響を与える可能性が懸念されています。
諸外国の排水・水環境管理手法においては、魚類、ミジンコ、藻類などの水生生物を排水に直接ばく露し、生死や繁殖、生長といった生物応答によって排水等が総体として示す影響を評価する生態影響試験が導入されています。国内でも生態影響試験の導入を検討している機関が増え始めていますが、信頼性の高い試験結果を得るためには、ガイドラインに示された試験法の実際を経験し、より深く理解する必要があります。
生態影響試験の普及・啓発を図るため、環境リスク研究センターでは生態影響試験に関する標準機関(レファレンス・ラボラトリー)機能の整備を進めています。その活動の一環として、生態影響試験の実施や導入を検討している試験機関や地方環境研究所等を対象に、基礎的な知識・技術等の普及を目的とした短期実習セミナーを開催します。
第5回目となる本セミナーでは、甲殻類のミジンコ(オオミジンコおよびニセネコゼミジンコ)を用いた遊泳阻害試験および繁殖影響試験を対象とした座学と実習を行います。
2. セミナーの内容
「生物応答を用いた排水試験法(検討案)」に用いられている、ニセネコゼミジンコ(Ceriodaphnia dubia)の繁殖影響試験と、OECDテストガイドライン202であり、化審法や農薬取締法に導入されている、オオミジンコ(Daphnia magna)の遊泳阻害試験を対象とし、主に以下の内容を実施します。
1) ニセネコゼミジンコの繁殖影響試験法およびオオミジンコの遊泳阻害試験法の解説
2) 試験生物の飼育方法や試験に関わる基本的な操作技術の指導
3) 生態影響試験に用いる設備・器具等の紹介
4) 生態影響試験に関わる質問・相談の受付
3. 開催の概要
名称: 第5回生態影響試験実習セミナー
日程: 平成25年10月9日 (水) ~11日 (金) の3日間
場所: 国立環境研究所環境リスク研究棟
〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
対象機関: 事業所排水や化学物質等を対象とした生態影響試験を実施している、
または導入を検討している試験機関や地方環境研究所等
定員: 20名
参加者は各機関につき2名までとさせていただきます。
定員20名を超過した場合は、生態影響試験の経験等を考慮した上で参加者を
決定させていただきます。
参加費: 無料 (但し、参加に係る昼食費・宿泊費・交通費等は自己負担)
申込: 下記のいずれかの方法にてお申込みください。※セミナーは終了しました。
①ウェブサイトの入力フォームによる申込み
http://www.nies.go.jp/risk/referencelab/relab_semi/2013_5/index.htmlにアクセスし、
ウェブサイト上から参加申込みフォームに必要事項を記載の上、送信して下さい。
②電子メールによる申込み(①による申込みが出来ない場合)
下記を記載の上、件名を『セミナー参加申込み』としてreferencelab.risk@nies.go.jpに
送信して下さい。
・参加者氏名、所属・職名、メールアドレス、電話番号、住所
・受講希望理由 (生態影響試験の導入状況・経験等を含む)
参加受付期限: 9月13日(金)
参加証送付: 9月17日(火)までに電子メールにて送付いたします。
問い合わせ先: 環境リスク研究センター 生態影響試験実習セミナー事務局
担当:渡部 (わたなべ)、鑪迫 (たたらざこ)
電話・FAX:029-850-2851
E-mail:referencelab.risk@nies.go.jp
4. プログラム(予定)
日時 | 内容 |
---|---|
1日目(10月9日) | |
9:30~10:00 | 受付開始 |
10:00~10:20 | セミナー開催趣旨、概要の説明 |
10:20~12:00 | [座学] オオミジンコを用いた遊泳阻害試験の概要 |
[実習] オオミジンコを用いた遊泳阻害試験の開始 | |
12:00~13:00 | 昼食(自己紹介) |
13:00~13:15 | [座学] オオミジンコを用いた遊泳阻害試験の注意点 |
13:15~16:00 | [座学] ニセネコゼミジンコを用いた繁殖試験の概要 [実習] ニセネコゼミジンコを用いた繁殖試験の開始 |
16:00~16:15 | 休憩 |
16:15~16:45 | [座学] ニセネコゼミジンコの飼育方法 |
16:45~17:00 | 質疑応答・本日の実習のまとめ・明日の予定確認 |
17:00~ | 懇親会 |
2日目(10月10日) | |
10:00~11:00 | [座学] オオミジンコを用いた遊泳阻害試験の観察方法 [実習] オオミジンコを用いた遊泳阻害試験の観察 |
11:00~12:00 | 見学:実験施設の見学・器具等の紹介 |
12:00~13:00 | 昼食 |
13:00~14:30 | [実習] ニセネコゼミジンコを用いた繁殖試験の観察 飼育操作の実施 |
14:30~14:45 | 休憩 |
14:45~15:10 | [座学] ニセネコゼミジンコを用いた繁殖試験の注意点 |
15:10~16:00 | [座学] ニセネコゼミジンコを用いた繁殖試験の統計解析について |
16:00~16:45 | 講義:生物応答を利用した排水管理手法の導入背景について |
16:45~17:00 | 質疑応答・本日の実習のまとめ・明日の予定確認 |
3日目(10月11日) | |
9:30~10:00 | [実習] オオミジンコを用いた遊泳阻害試験の観察(終了) |
10:00~11:30 | [実習] ニセネコゼミジンコを用いた繁殖試験の換水 |
11:30~12:00 | [座学] オオミジンコを用いた遊泳阻害試験の解析 |
12:00~13:00 | 昼食 |
13:00~14:00 | [座学] オオミジンコを用いた遊泳阻害試験の解析手続き・講評 |
14:00~14:30 | 講義:生物応答を利用した排水管理手法の適用事例について |
14:30~14:50 | 質疑応答・アンケートの実施 |
14:50~15:00 | 閉会の挨拶 |
※プログラムの内容は、予告なく変更になる場合があります。予めご了承下さい。
以上