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日本森林学会学生奨励賞

  • 受賞者:
    久保雄広
  • 受賞対象:
    Spatial tradeoffs between residents' preferences for brown bear conservation and the mitigation of human-bear conflicts
  • 受賞者からひとこと:
     近年、野生動物と人間社会との軋轢が世界中で深刻な問題となっています。これらの軋轢は自然保護地域の設定をはじめとする保全活動に対して、地域住民の態度を悪化させることが知られています。その一方、野生動物に関する観光などから得られる便益は野生動物の存在に対する地域住民の許容度を高め、保全に対する意欲を向上させることが知られています。つまり、地域住民にとって野生動物の保全は一種のトレードオフ問題となっている可能性が指摘されてきました。今回の論文では、離散選択型実験を用いて、知床半島におけるヒグマ生息に対して地域住民がどこでヒグマ生息を望んでいてどこで望んでいないのか、ヒグマ生息に関する空間的なトレードオフ認識を明らかにしました。今回の受賞を励みに、今後も実際の野生動物や自然公園の管理に貢献することに重きを置いて、研究に邁進していきたいと考えております。

日本農業気象学会 奨励賞

  • 受賞者:
    田中 朱美
  • 受賞対象:
    「低温起因によるイネの不稔に対する気温上昇の影響解析」および「温暖化政策支援のための作物収量影響関数の開発」
  • 受賞者からひとこと:
     北海道および全球を対象とした、気候変化が農作物に与える影響の評価に関する研究を評価いただき、農業気象学会奨励賞をいただきました。ご指導いただきました多くの皆様に深く感謝申し上げます。 今回の受賞を励みに、気候変化影響の評価に関する研究を深めることができるよう、精進していきたいと思います。

Ecological Research 論文賞

  • 受賞者:
    広木幹也、野原精一
  • 受賞対象:
    Variation in microbial function through soil depth profiles in the Kushiro Wetland, northeastern Hokkaido, Japan,Ecological Research (30), 563-572,2015
  • 受賞者からひとこと:
     本研究は環境省地球環境等保全試験研究費「湿原流域の変容の監視手法の確立と生態系修復のための調和的管理手法の開発」によって北海道釧路湿原において実施された研究成果の一部をまとめたものです。 論文では、土壌有機物や栄養塩の動態を支配する微生物活性(全微生物活性、有機物分解、リン酸塩産生、脱窒)を分析化学的手法 によって測定し、解析した結果を報告しました。これまでは土壌表層の活性しか注目されてきませんでしたが、本研究では150cm深の土壌においてもこれら微生物活性が認められることを明らかにし、湿原の有機物と栄養塩の動態については土壌表層だけではなく、深層も含めて議論する必要があることを初めて示したことが高く評価されました。

日中韓環境協力功労者表彰

  • 受賞者:
    菅谷芳雄
  • 受賞対象:
    日中韓化学物質管理に関する政策ダイアローグ専門家会合への貢献
  • 受賞者からひとこと:
     今回の受賞の理由は、平成19年から毎年「日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグ」の専門家会合に参加し、生態毒性評価の専門家として、中国および韓国の関係者と化学物質対策に関する相互理解の向上による国際調和に向けた各種取組や日中韓共同研究を行い、その成果が行政施策に活用されたことである。具体的には、日中韓3カ国のGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)分類の比較研究、生態毒性試験法の調和に向けた取組を行った。また日中韓のGLP(Good Laboratory Practice:優良試験所基準)に適合する施設の相互訪問や、生態毒性評価に関する共同研究を進めた。また第8回(平成26年)及び第9回(平成27年)の専門家会合ではミジンコ急性遊泳阻害試験、および魚類急性毒性試験に関する日中韓の共同研究に行い、文書の取りまとめを行った。この貢献は、我が国がOECD加盟国のとして行ってきたOECD試験ガイドラインプログラムや高生産量化学物質初期評価事業(後の化学物質共同評価事業)に積極的に参画してきたからこそ可能であったことであり、国際的な動向に視野を広げた活動が役にたったものであり、私自身、可能な限りこの活動は続けて行きたいし、研究所としても継続して欲しい。

日本衛生学会学術総会 若手優秀発表賞

  • 受賞者:
    鈴木武博
  • 受賞対象:
    バングラデシュ住民の血液ゲノムにおけるヒ素曝露濃度依存的なLINE-1 メチル化変化、第86回 日本衛生学会学術総会、同予稿集、71, S231,2016
  • 受賞者からひとこと:
     東南アジアをはじめ世界各国で天然由来の無機ヒ素の摂取による慢性中毒が発生し、大きな環境問題となっています。本研究では、ヒ素による疾患の予防や早期発見に有用なバイオマーカーを探索する目的で、バングラデシュのヒ素汚染地域の住民の血液ゲノムDNAを用いて、ゲノム不安定性に関与するゲノム領域のDNAメチル化を測定しました。DNAメチル化はDNAに入る修飾の一つで、この領域のDNAメチル化が減少するとゲノムが不安定になり、疾患につながります。本研究の結果、ヒ素汚染地域の住民ではこの領域のDNAメチル化がヒ素濃度依存的に減少することを見出し、この領域はヒ素汚染のバイオマーカーになりうる可能性が考えられました。今後は、この領域のDNAメチル化とヒ素汚染による疾患との関係を検討する予定です。今回の受賞を励みに、今後もヒ素をはじめとした化学物質の健康影響評価に貢献しうる研究成果を発信できるように頑張っていきたいと思います。なお、本研究は、国立環境研究所の国際環境研究事業戦略調整費の助成を受け行いました。

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