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有機エアロゾルによる大気汚染の診断:有機霞の時代を迎える中での大気質管理に向けて(令和 7年度)
Diagnosing air pollution by organic aerosol: toward air quality management in the emerging era of organic haze

予算区分
JSPS国際共同研究事業
研究課題コード
2325ZZ001
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
有機エアロゾル,発生源解析,大気質
キーワード(英語)
organic aerosol,source apportionment,air quality

研究概要

大気エアロゾルは大きな環境リスク要因であり、そこに含まれる有機エアロゾルの発生源と影響を理解することは、重要な課題である。本研究では、ネットワーク観測によってエイジングの進んだ有機エアロゾル画分の発生源の寄与推定が可能となるように、大気中のエイジング過程について学術的な理解を深めること、そして、有機エアロゾルの変質を表現する数値モデルの基盤を提供することを目的とする。名古屋および大阪を対象とする大気の観測とモデルシミュレーションにより、エイジングを経た有機エアロゾルの寄与と起源について知見を得るとともに、日本・アジア大陸・ヨーロッパのフィルタ採取試料の分析により、エイジングを経た有機エアロゾルの差異について理解する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

名古屋および大阪において、大気エアロゾルのフィルタ採取、その場測定、及びフィルタの有機分析を実施する。合わせて、大気質モデルシミュレーションによる有機エアロゾルの発生源推定を行う。一方、スイス側は、集中観測で得たエアロゾル試料に対して抽出エレクトロスプレーイオン化質量分析、FTIR分析により抽出物の分析を行う。また、有機エアロゾルの組成・発生源と酸化能の関係について調べるとともに、シミュレーション結果と大気観測結果を比較して発生源解析に関するモデルの評価を行う。

今年度の研究概要

前年度までに構築・検証した大気モデルを用いて2022 年〜2023 年、及び2024 年2〜3 月の数値シミュレーションを実施するとともに、発生源別に有機エアロゾルの濃度を観測値と比較する。さらに、液相反応起源の有機エアロゾルの前駆体や生成経路を解析して、その濃度制御要因を明らかとする。大気観測とモデルシミュレーションで得られた結果に基づき、有機エアロゾルの発生源とエイジングを定量的に把握するための鍵となる特徴について考察する。

外部との連携

スイス連邦工科大学ローザンヌ校
名古屋大学
ポール・シェラー研究所
金沢大学

課題代表者

森野 悠

  • 地域環境保全領域
    大気モデリング研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(理学)
  • 地学
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