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島嶼生鳥類による海を超えた種子散布が植物集団に与える影響(令和 7年度)
Effect of oversea seed dispersal by island birds on plant populations

研究課題コード
2528CD004
開始/終了年度
2025~2028年
キーワード(日本語)
島嶼,鳥類,種子散布
キーワード(英語)
Island,Bird,Seed Dispersal

研究概要

鳥類による海を超えた種子散布は、海洋島に森林が成立する上で不可欠であるにもかかわらず、
その詳細はほとんど未解明であった。これに対し申請者は、⼤型の果実⾷者であるカラスバト
が、伊⾖諸島の島々を移動して種⼦散布に貢献する可能性を⽰し、広域を対象とした研究体
制を確⽴してきた。本研究では、1) カラスバトの⾳声録⾳とGPS追跡に基づく動態モデルに
よりその移動パターンを明らかにし、2)個体の位置情報、⼟地利⽤、種⼦の滞留時間等から
構築した種⼦散布モデルにより種⼦の散布経路を推定し、3) 本種に種⼦を散布される植物と
散布されない植物の遺伝構造を⽐較することで、カラスバトによる島間の種子散布が生じるプロ
セスと、それが植物集団に与える長期的影響を評価する。⼀連の研究において、森林の形成過
程における⿃類の影響について包括的な理解を⽬指す。また、島間の種⼦散布を介した広域
スケールでの森林の維持メカニズムという新しい学術的視点を提供する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

音声の自動録音とGPS追跡により、伊豆諸島におけるカラスバトの移動パターンを明らかにする。カラスバトに散布される植物を特定し、GPS追跡情報と体内滞留時間から種子散布パターンを推定する。カラスバトに散布される植物とされない植物の集団遺伝構造を解析することにより、本種による海を超えた長距離種子散布が、植物集団に与える長期的影響を評価する。

今年度の研究概要

伊豆諸島各島に録音機を設置してモニタリングを開始する。伊豆大島と青ヶ島においてカラスバトを捕獲し、GPS追跡を開始する。

外部との連携

分担者として森林総合研究所、筑波大学の研究者に入っていただいている。

課題代表者

安藤 温子

  • 生物多様性領域
    生態系機能評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士 (農学)
  • 生物学,農学,林学
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担当者