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成層圏大循環変動とオゾン変動の相互作用機構の解明(令和 7年度)
Elucidation of the interaction mechanism between stratospheric general circulation variations and ozone variations

研究課題コード
2527CD009
開始/終了年度
2025~2027年
キーワード(日本語)
気象学,成層圏,オゾン層,化学気候モデル,数値シミュレーション
キーワード(英語)
meteorology,stratosphere,ozone layer,chemistry climate model,numerical simulation

研究概要

成層圏大循環とオゾン層は相互作用をしながら変動するものと考えられるが、定量的には未解明のままである。そこで本研究課題では、成層圏突然昇温や南極渦崩壊現象を対象にして、化学気候モデルを用いた、成層圏大循環とオゾン層の相互作用を組み入れた数値実験と、相互作用を切断した数値実験を行い、両数値実験結果と観測値との比較を詳細に行うことで、成層圏大循環とオゾン層の相互作用の詳細を明らかにすることを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

(1)2009年の南米南端へのオゾンホール空気塊の移流事例に対し、化学気候モデルに基づいて数値実験のための初期摂動データを作成し、成層圏大循環とオゾン層の相互作用を組み込んだアンサンブル数値実験と、相互作用を切断したアンサンブル数値実験を実施し、オゾン全量、温度場、風の場、等圧面高度場等の基本物理量について、それぞれの観測値(オゾンの衛星観測データおよび気象再解析データ)との比較から両実験結果における各事例の予測可能期間を算出し、相互作用の寄与の程度を定量的に見積もる。
(2)上記数値実験結果と観測値について、オゾンの高度分布、残差平均子午面流、エリアッセン-パーム(EP)フラックス、波活動度フラックスなどの高度物理量について比較を行い、相互作用の寄与によりもたらされる予測可能期間の差異が生じる要因について考察する。
(3)標準の緯度経度2.8度分解能から解像度を同1.4度に上げた化学気候モデルによる同様の数値実験を行い、解像度が数値実験結果に与える影響についても調べる。
(4)上記で得られた結果を考察、検討した上で成果をまとめ、学会や研究集会で発表するとともに学術誌に公表する。

今年度の研究概要

2009年の南米南端へのオゾンホール空気塊の移流事例に対する化学気候モデル数値実験のための初期摂動データを作成し、成層圏大循環とオゾン層の相互作用を組み込んだアンサンブル数値実験と、相互作用を切断したアンサンブル数値実験を実施し、オゾン全量、温度場、風の場、等圧面高度場等の基本物理量について、それぞれの観測値との比較から両実験結果における各事例の予測可能期間を算出する。

外部との連携

廣岡俊彦:九州大学・国際宇宙惑星環境研究センター・名誉教授(研究課題代表者)
野口峻佑:九州大学・理学研究院・助教

課題代表者

秋吉 英治

  • 地球システム領域
    気候モデリング・解析研究室
  • シニア研究員
  • 博士 (理学)
  • 物理学,地学,コンピュータ科学
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