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個体の流れと繁殖価の流れに基づく生態影響評価手法の確立と動植物の比較解析(令和 7年度)
Development of ecological impact assessment methods based on interstage flows and reproductive-value flows: A Comparative analysis of animals and plants

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
2527CD008
開始/終了年度
2025~2027年
キーワード(日本語)
生命表反応解析,個体群行列モデル,個体の流れ行列,繁殖価の流れ
キーワード(英語)
Life Table Reponse Experiment,Matrix Population Model,Interstage flow matrix,Reproductive-value flow matrix

研究概要

近年、植物(COMPADRE)および動物(COMADRE)の個体群行列データベースのオンライン公開により、個体群統計量の横断的な比較研究が可能になった。本研究は、申請者が新たに提唱した「個体の流れ行列」および「繁殖価の流れ行列」を用い、動植物の特性を新たな側面から明らかにすることを目的とする。研究の到達目標は以下の3点である:
[1]外来動植物の侵入経過時間に伴う特性変化の解明と在来種との比較
[2]絶滅危惧種などの減少要因に対する複数環境要因の影響の分離・定量化
[3]個体の流れ・繁殖価の流れの変化が絶滅リスクや種間相互作用に与える影響の評価。
この手法は、従来の生命表反応解析(LTRE)よりも詳細な評価を可能にし、保全生態学や環境影響評価への応用が期待される。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究は3年間で遂行され、以下の3つの主要な解析を軸に進められる:
解析1(1年目):
 外来種と在来種の個体群行列の収集と分類を行い、個体の流れ・繁殖価の流れの比較解析をディリクレ回帰等の統計モデルで実施。侵入経過時間と流れの関係も検討。
解析2(2年目):
 複数の環境要因(例:農薬の有無、気候変動など)による影響を新たなLTRE手法により分離・定量化。種ごとの応答特性を整理。
解析3(3年目):
 個体群動態モデルを用いて、個体の流れ・繁殖価の流れの違いが絶滅リスクや種間相互作用に与える影響を数理的に検証。

今年度の研究概要

COMPADREおよびCOMADREから解析対象となる種と個体群行列の収集・整理・選別を実施する。在来種と外来種の分類を行い、外来種については侵入経過時間、気温・降水量などの環境情報とあわせた個体の流れ・繁殖価の流れの算出を行う。それらの比較分析により、生活史や機能群ごとの違いを検出するディリクレ回帰分析を開始する。必要なプログラムや解析手法の実装・検証を行い、研究基盤を整備する。

課題代表者

横溝 裕行

  • 環境リスク・健康領域
    リスク管理戦略研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (理学)
  • 生物学
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