- 研究課題コード
- 2527CD005
- 開始/終了年度
- 2025~2027年
- キーワード(日本語)
- タイヤ路面摩耗粒子,ベンゾトリアゾール系UV吸収剤,ナノプラスチック粒子
- キーワード(英語)
- Tire road wear particles,Benzotriazole UV absorber,Nanoplastic particle
研究概要
本研究では大気微小粒子中のタイヤ路面摩耗粒子(TRWP)を対象物質として、その安定かつ低濃度まで測定可能な分析手法を確立し、TRWPの存在濃度や環境動態だけでなく、そこに含まれる有害成分である多環芳香族炭化水素(PAH)やベンゾトリアゾール系UV吸収剤(BUVS)へのTRWPの寄与を明らかにする。また国内のみならず、自動2輪車からのTRWP発生量が多いベトナムハノイにおいて、TRWP汚染の実測調査を行う。さらに、TRWPの簡易分析手法の開発として、TRWPと高い相関を示す有機マーカーの探索や電子顕微鏡による画像解析に加え、顕微ラマン分光といった最新の分析手法も取り入れ、成分、形状、分光学的特性の観点からTRWPを多角的に評価する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
新たな大気汚染物質として注目されている微小粒子中のTRWPを対象物質として、その安定かつ低濃度まで測定可能な分析手法を確立する。そのためには直接熱分解ではなく、溶媒への溶解後に熱分解を行う新たな手法を用いる。次に、分析手法の確立後には、今後の健康影響の観点から国内外の道路近傍で大気フィールド観測を行い、TRWPの存在濃度や環境動態を車種影響も含め把握することを目指す。この観測においては、自動2輪車の利用率が高くTRWPの発生量が多いと考えられるベトナムハノイを対象地域とし、世界に先駆けて東南アジア地域におけるTRWP汚染の実測調査を行う。また、国内外で大気微小粒子を捕集したフィルタ試料に対してはTRWP濃度のみならず、PAHやBUVSなどの含有される有害成分への寄与も定量的に評価すべく、PAHやBUVSの分析手法についても検討する。一方、新規の簡易分析手法の検討として、TRWPと高い相関を示す有機マーカーの探索に加え、電子顕微鏡による画像解析や顕微ラマン分光といった最新の分析手法も取り入れることで、成分、形状、分光学的特性の観点からTRWPを多角的に評価する。
今年度の研究概要
大気微小粒子中TRWP試料について、透過型および走査型電子顕微鏡観察(画像解析)と元素スペクトル解析を行う。
外部との連携
埼玉大学 関口和彦
長崎大学 池盛文数
中央大学 玄大雄
- 関連する研究課題
- 27216 : PJ1_実環境および脆弱性を考慮した健康影響の有害性評価に関する研究
- : 環境リスク・健康分野(ア先見的・先端的な基礎研究)
課題代表者
藤谷 雄二
- 環境リスク・健康領域
統合化健康リスク研究室 - 主幹研究員
- 博士(工学)
- 工学