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令和6年度化学物質の内分泌かく乱作用に関する試験法開発に係る業務(令和 6年度)
FY2024 Contract work on test method development for endocrine disrupting chemicals

研究課題コード
2424BY004
開始/終了年度
2024~2024年
キーワード(日本語)
内分泌かく乱化学物質,試験法,メダカ,ミジンコ
キーワード(英語)
endocrine disrupting chemicals,test methods,Japanese medaka,daphnids

研究概要

 環境省では、令和4年10月に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応— EXTEND2022 —」を取りまとめ、EXTEND2010(平成22年7月取りまとめ)及びEXTEND2016(平成28年6月取りまとめ)における取組の成果と課題を踏まえ、作用・影響の評価及び試験法の開発や環境中濃度の実態把握及びばく露の評価、リスク評価及びリスク管理、化学物質の内分泌かく乱作用に関する知見収集並びに国際協力及び情報発信の推進を引き続き進めていく方針を掲げている。
 このため、まだ十分確立されていない試験法について、引き続き開発を進める必要があるとともに、OECD 等で進められている試験法確立に今後も積極的に協力し、国際的な貢献を行う必要がある。
 本業務は、これらを踏まえて、主に魚類、及び無脊椎動物を対象とした各種試験の実施や情報収集、必要な検討を通して、試験法の確立及び影響を評価するため必要な基礎的知見の集積を行い、試験の開発・適正化に向けた取組を進めるととともに、併せてOECD、日英・日米二国間協等の国際的な取組への貢献に資することを目的として実施するものである。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

(1)魚類及び無脊椎動物を用いた試験法開発に係る業務
1)魚類試験法開発に係る業務
幼若メダカ抗男性ホルモン作用検出スクリーニング試験法(以下「JMASA」という。)について、試験実施可能なメダカの系統についての検討を実施する。また、EXTEND2022での評価に資するために、第二段階試験である「メダカ拡張一世代繁殖試験(以下「MEOGRT」という。)」の試験実施機関の支援を行う。加えて、欧州ではゼブラフィッシュを用いた拡張一世代繁殖試験(ZEOGRT)の開発が進められていることから、そのPhase 2における検証試験に協力する。さらに、欧州を中心に諸外国では動物愛護の観点から、魚類胚を利用した試験法の検討を実施しており、内分泌かく乱化学物質の検出試験系も提案されていることから、これらの試験に基づき実証試験を実施しEXTEND2022への利用可能性について検討を行う。加えて、欧州での単一生物種を用いた網羅的な内分泌かく乱作用検出試験法の開発ニーズがあることを受けて、ゼブラフィッシュを用いた甲状腺ホルモン検出試験法の開発が進められているが、メダカを用いて新たな甲状腺ホルモン検出のための試験法開発が進められていることから、メダカでの実証を行う。
2)無脊椎動物試験法開発に係る業務
過年度業務においてこれまでにミジンコを用いた化学物質の幼若ホルモン作用のスクリーニング試験法について、検証結果や統計手法の検討も含めた報告書を作成しており、OECDにおいてテストガイドラインとしての承認を目指す。また、抗幼若ホルモン作用物質の検出法がないことから、そのための試験法の開発に向けた取り組みを進める。さらに、化学物質の脱皮ホルモン様作用については、in vivo のスクリーニング試験法の確立に向けた検討を行う。
3)最新情報の調査収集
内分泌かく乱化学物質に関する最新の国際動向を調査するため、欧米において開催される国際学会等(1回)に参加し、現地において必要な情報の収集等を行う。

(2)試験法の確立等に関する検討班会議への報告に係る作業
別途環境省が実施する「令和6年度化学物質の内分泌かく乱作用に関する日英・日米二国間協力及びOECD 等への国際協力推進に係る業務」(以下「令和6年度二国間業務」という。)におい開催する、魚類、及び無脊椎動物を用いた試験法に関する専門家検討班会議に資料を提出するとともに、同会議に出席し、説明・質疑応答を行う。

(3)OECD 関連会議への報告事項に係る打合せの実施
(1)、1)及び2)の取組みについては、別途環境省が実施する「令和5年度二国間業務」において、OECD関連会議への報告を予定している。業務の進捗状況等を踏まえて、上記業務において開催するOECD関連会議に係る国内専門家会議に必要な資料を作成し、参加する。

(4)化学物質の内分泌かく乱作用に関する検討会、国際会議等への報告に係る作業
 上記(1)〜(3)について報告を行うため、環境省が別途開催する「化学物質の内分泌かく乱作用に関する検討会に提出するための資料を作成の上、同検討会に出席し、必要に応じて資料に関する説明、質疑応答を行う。また、(1)の1)及び2)については、別途環境省が実施する「令和 5 年度二国間業務」において、OECD の関連会議((3)の OECD の関連会議と同一)及び日英二国間会議に出席し、必要な資料の準備・作成等、報告に係る補助作業を行う。

(5)報告書の作成
 上記(1)〜(4)の結果を取りまとめた報告書を3部作成する。

今年度の研究概要

同上

関連する研究課題

課題代表者

山本 裕史

  • 環境リスク・健康領域
  • 領域長
  • Ph.D.
  • 化学,生物学,土木工学
portrait

担当者