- 予算区分
- 資源循環領域
- 研究課題コード
- 2426BA006
- 開始/終了年度
- 2024~2026年
- キーワード(日本語)
- リチウムイオン電池
- キーワード(英語)
- 資源回収性
研究概要
循環・廃棄過程におけるリチウムイオン電池(LIB)の発火等事象を起因とする事故増加のために、循環・廃棄物処理施設の安全確保と資源回収の改善が急務となっている。また今後は、LIB使用電気製品の消費・廃棄量増加、LIBの組成変化、設計・表示に関する規制強化などとともに、自治体ではLIBが外れない製品の分別収集やプラスチック一括回収などの分別収集の動きも出ている。これらの変化に対応しながら、既存の廃棄物処理施設の負荷軽減と小型家電リサイクル制度の活用を通じて、安全性と資源回収性の評価及び確保を伴った資源循環システムの構築に資する情報を提供することを目的とする。
そのために本研究では研究全体として、LIBの取扱いに関する複数の資源循環施策シナリオに対して、安全性と資源回収性の観点で可能な限り定量的な評価を行い、望ましい資源循環のための政策提案を目指す。まず、LIBのさらなる普及と組成変化を反映したマテリアルフロー分析を行うとともに、LIBの取扱いに関する国内外の多様な施策動向のレビューを通じて、評価すべき資源循環施策シナリオを抽出する。
次に安全性に関して、実施設で検知関連の情報収集及び解析を行って、循環・廃棄過程における発火等事象の客観的・定量的な件数把握が行える手法を実証するとともに、LIBの安全性評価試験を行って充電状態(SOC)・容量・正極材などが発火等事象に与える影響を明らかにする。そして資源回収性に関しては、分別収集などの施策が自治体や小型家電リサイクル施設などでの中間処理を経て、最終的に得られる金属などのリサイクル率や事業性に与える影響を把握する。
最後にこれらの評価結果を組み合わせて、LIBの取扱いに関する各種施策シナリオが安全性と資源回収性の観点でどの程度効果があるかを明らかにし、望ましい資源循環システムのために必要な政策提案と課題の提示を行う。
研究の性格
- 主たるもの:政策研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
サブテーマ1の実施内容として、リチウムイオン電池(LIB)のさらなる普及と組成変化を反映したマテリアルフロー分析を行うとともに、LIBの取扱いに関する多様な施策動向のレビューを行う。これらを通じて、安全性と資源回収性を評価すべき資源循環施策シナリオ(分別収集、モニタリング強化など)を抽出し、評価を行うサブテーマに提供する。
安全性に関して、実施設で検知関連の情報収集及び解析を行って、循環・廃棄過程における発火等事象の客観的・定量的な件数把握が行える手法の実証とともに、評価に資する指標を提案する。同時に、LIBの安全性評価試験を行い、充電状態(SOC)・容量・正極材などが発火等事象に与える影響を明らかにする。
最後に、LIBの取扱いに関する各種施策シナリオが安全性と資源回収性の観点でどの程度効果があるかを明らかにし、望ましい資源循環システムのために必要な情報を提供する。
今年度の研究概要
サブテーマ1の実施内容として、既往推進費研究(3-2101)の継続として、LIBのさらなる普及を踏まえたLIBのマテリアルフロー分析を行う。また、リン酸鉄系LIBの拡大を含む組成変化に関する文献とヒアリング調査を実施する。
LIBの取扱いに関して、表示や設計の見直しや自治体の分別収集に関する国内動向を把握する。これらを通じて、安全性と資源回収性を評価すべき資源循環施策シナリオ(分別収集、モニタリング強化など)を抽出し、評価を行うサブテーマに提供する。
安全性に関して、廃棄物処理施設ごとの特性を整理して施設の類型化を行った上で、数週間以上のモニタリングが可能な実施設の選定を行うとともに、モニタリングを行う項目(火炎、温度、ガスなど)や機器の選定、解析方法について検討する。
同時に、LIBの安全性評価試験に向けて、SOC・容量・正極材などの影響把握のためにLIBの作成も可能な民間試験機関を選定し、SOC調整方法の確認やサンプル選定方法の検討を含む準備とともに一部試験を開始する。
外部との連携
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、東北大学
- 関連する研究課題
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- : 資源循環分野(イ政策対応研究)