ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

令和6年度難分解性・高濃縮性化学物質による高次捕食動物への毒性評価法に係る調査・検討業務(令和 6年度)
Survey and study on toxicity test methods for high-order predators by persistent and bioaccumulated chemicals in FY2024

研究課題コード
2424BY003
開始/終了年度
2024~2024年
キーワード(日本語)
化学物質,難分解性・高蓄積性,化審法,鳥類,OECDテストガイドライン
キーワード(英語)
chemical substances,persistent and bioaccumulation,Chemical Substances Control Law,avian species,OECD test guideline

研究概要

現在、我が国の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)において、難分解性・高蓄積性化学物質を第一種特定化学物質に指定する際、鳥類繁殖毒性試験(OECDテストガイドライン206:TG206)に基づく調査が行われている。しかしながら、このTG206は高コストや試験再現性等の課題が指摘され、エンドポイントの精緻化とともに、近年の動物実験削減の世界的潮流により、不合理な動物実験を避けることが求められている。本業務では、1)新たな鳥類毒性評価法の開発と検証、2)鳥類試験法開発に係る海外調査と国際連携、3)OECDテストガイドライン化に向けた課題等の調査・検討を実施する。哺乳類にはない体外に卵を産むという鳥類の特性を生かして、卵内に化学物質を投与する試験法 (卵内投与試験法)の検証試験を行うとともに、国際的調和と連携を図りつつ、日本発の新規鳥類試験法の確立に向けた調査・検討を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

鳥類が想定される高次捕食動物に対する長期毒性を評価するためには、20週鳥類毒性試験が行われるが、20週鳥類毒性試験の実施を指示するためにはその根拠情報を示す必要があり、環境省は根拠情報を得るための予備的毒性評価手法の開発を進めてきた。予備的毒性評価手法として考える卵内投与試験法は、令和4年度にOECDに対しSPSF申請を行い、令和5年度にWNTにおいて採択され、新規のテストガイドライン(TG)案として現在議論されているところである。本調査・検討業務では、令和5年度に作成したSOP案の整備をするとともに、TG案を検討する。TG化を目指すために必要な検証試験を実施すること、異なる試験機関による検証試験の実施にあたり試験方法の助言・指導等の支援を行うこと、VMG-ecoに参加し、卵内投与試験法に対する対応方針を整理することを目的とする。

今年度の研究概要

(1)卵内投与試験法のTG化に向けた検討
ウズラ(Coturnix japonica)の卵を用いた卵内投与試験法について、OECD TG承認を目指すために、令和5年度に策定したSOP案を整備するとともに、TG案を検討する。

(2)卵内投与試験法のTG化に向けた検証試験の実施
卵内投与試験法のTG化を目指すために必要な検証試験を実施する。複数の異なる試験機関による検証試験の結果が必要であることから、外部の試験機関でも検証試験を実施する。

(3)VMG-ecoへの参加
VMG-ecoに参加し、資料作成、当日の説明を行う。併せて、共同提案者との実務者協議等を実施する。

(4)検討会の開催
本業務の円滑な実施のために、専門家からなる検討会を設置し、(1)〜(3)に対する助言を得る。

(5) 報告書の作成
上記(1)から(4)の内容を取りまとめ、報告書を作成する。

関連する研究課題
  • : 環境リスク・健康分野(イ政策対応研究)

課題代表者

川嶋 貴治

  • 環境リスク・健康領域
    環境リスク科学研究推進室
  • 主幹研究員
  • 博士(理学)
  • 生物工学,生物学,畜産学
portrait

担当者