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エステル型4級アンモニウム陽イオン界面活性剤による底質汚染実態の解明(令和 6年度)
Elucidating Sediment Contamination by Esterquat Cationic Surfactants

予算区分
挑戦的研究(萌芽)
研究課題コード
2425CD002
開始/終了年度
2024~2025年
キーワード(日本語)
生活排水,雨天時越流,柔軟仕上げ剤,LC/MS
キーワード(英語)
domestic wastewater,Combined sewer overflow,Fabric softener,LC/MS

研究概要

本研究の目的は、衣料用柔軟仕上げ剤の主成分として多量に使用されているトリエタノールアミン・4級アンモニウム塩(以下、TEAQ)の底質汚染実態を解明することである。TEAQは下水処理施設等で速やかに分解されるといわれているが、大量に使用されているため一部が環境に放出され、底質に沈降、吸着、残留している可能性がある。本研究では新規LC/MS分析手法を用いて河川底質中の測定を行い、特に下水処理放流水の影響、雨天時越流の影響、生分解による河川流下に伴う濃度減衰、の3点を明らかにすべく研究を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

TEAQの底質汚染実態を明らかにするため、国内河川の底質を採取しTEAQの濃度を測定する。特に、(1)下水処理放流水の影響、(2)雨天時越流の影響、(3)河川流下に伴う濃度の減衰、の3点を解明するため、下記の調査を行う。
(1) 下水処理放流水の影響(1年度目通年):下水処理場放流口の上流、下流それぞれ4, 5地点で底質を採取し、TEAQ濃度を比較することにより、放流水流入の影響を明らかにする。
(2) 雨天時越流の影響(2年度目前半):雨水吐口等数か所の周辺から底質を採取、TEAQの濃度を測定し、雨天時越流の寄与を明らかにする。
(3) 河川流下に伴う濃度の減衰(2年度目後半):下水処理放流口から下流方向に底質を採取していきTEAQ濃度の変化を追う。

今年度の研究概要

TEAQは家庭用柔軟剤として使用されていることから、下水処理場放流水が主要な汚染ソースであると考えられる。今年度は下水処理場放流口の上流、下流それぞれ4, 5地点で底質を採取し、TEAQ濃度を比較することにより、放流水流入の影響を明らかにする。この調査は集水人口規模の異なる下水処理場3施設以上(東京都心、東京郊外、茨城県内)を対象に行う。

課題代表者

遠藤 智司

  • 環境リスク・健康領域
    曝露影響計測研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(自然科学)
  • 化学,地学
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