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プラスチック循環の推進と調和する化学物質管理に向けた樹脂添加剤の循環実態の解明(令和 6年度)
Assessing chemical additives in plastic recycling to enhance chemical management in a circular economy

予算区分
循環領域
研究課題コード
2325BA013
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
プラスチック資源循環,残留性有機汚染物質,物質フロー
キーワード(英語)
plastic recycling,persistent organic pollutants,material flow

研究概要

 本課題では、環境政策上重要であるプラスチック循環の推進における適正な化学物質管理に備えるため、規制物質および未規制物質を含む多種多様な樹脂添加剤を対象とし、成果を相互に参照・反映しながら二つのサブテーマで研究を実施する。
 サブテーマ1では、有機化合物の分析化学的手法を駆使し、製品や循環資源を対象に、ストックホルム条約や欧州RoHS指令等の国際的な規制対象物質およびその他未規制の広範な樹脂添加剤の実測調査を行い、廃プラスチックの循環利用に伴って再生プラスチックへ混入している物質を添加剤機能(難燃剤、可塑剤、等)ごとに明らかにする。また、ノンターゲット分析により、添加剤として使用されている未知の物質の検出にも挑戦する。サブテーマ2では、樹脂添加剤として使用される多種の物質のリストを作成し、その機能と使用されるプラスチック製品の対応関係を整理したデータベースを作成する。また、プラスチック製品ごとにその処理・循環フローを整理、類型化し、先の情報と紐づけて、添加剤機能ごとにプラスチック循環へのフローを整理する。そして、サブテーマ1で検出された主要な物質について、サブテーマ2の整理を参照して、プラスチック循環への混入実態とその由来を添加剤の機能ごとに推定、整理する。以上の結果を取りまとめ、国内のプラスチック資源循環政策推進の支援および各種条約ガイドライン等策定のための情報基盤として提示する。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:

全体計画

 プラスチック循環に随伴する規制/未規制樹脂添加剤の種類や含有量、その循環フローを樹脂種や添加剤機能(難燃剤、可塑剤、等)ごとに整理・類型化し、再生プラスチックへの流入が特に懸念される樹脂添加剤とその由来となるプラスチック製品の主要な例を特定する。プラスチック循環の促進における適正な化学物質管理方策の検討に資する情報基盤を構築する。プラスチック製品や循環資源、再生品を対象に、ストックホルム条約や欧州RoHS指令等の国際的な規制対象物質およびその他未規制の広範な樹脂添加剤の含有実態を網羅的に把握し、意図的に添加された物質に加え、廃プラスチックの循環利用に伴って再生プラスチックへ非意図的に混入している物質を樹脂種や添加剤機能ごとに明らかにする。主要な物質については、プラスチック再資源化プロセスにおける分配挙動を明らかにする。樹脂添加剤として使用されている多種多様な物質を網羅した、化学物質、添加剤機能用途、樹脂種、および使用されるプラスチック製品の対応関係を整理したデータベースを作成する。主要なプラスチック製品について、製品群ごとにその処理・循環フローを類型化し、再生プラスチックへの流入が懸念される主要な樹脂添加剤とその由来となるプラスチック製品の組み合わせを抽出する。

今年度の研究概要

 サブテーマ1では、ペレット試料の収集および添加剤含有量測定を継続し、実際に循環している樹脂添加剤を特定する。ノンターゲット分析で検出頻度が高く、かつ、サブテーマ2の検討で重要と判断された物質については定量分析を試みるとともに、循環利用されうる製品を選定し、その含有実態を確認する。プラスチック再資源化施設2施設程度で添加剤の分配挙動を調査し、未規制の添加剤を含むプラスチック廃棄物が必要以上に処分対象とされるケースについては、循環利用用途開拓とニーズ検証を試みる。サブテーマ2では、化学物質の用途情報および欧州SCIPデータベースの情報を収集整理し、樹脂添加剤として使用される物質と樹脂種、プラスチック製品用途の対応関係を整理する。初年度に整理した情報との接続を行い、物質、添加剤機能、樹脂種、製品用途の情報を紐付けたデータベースのプロトタイプを作成する。プラスチック製品の処理・再資源化フローの現状および将来動向の調査、整理に基づきそのフローを類型化する。

外部との連携

第一薬科大学

関連する研究課題

課題代表者

梶原 夏子

  • 資源循環領域
    試験評価・適正管理研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (学術)
  • 化学
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担当者