- 研究課題コード
- 2427CD005
- 開始/終了年度
- 2024~2027年
- キーワード(日本語)
- PFAS,植栽ユニット,環境負荷低減技術
- キーワード(英語)
- PFAS,planting unit,technologies to reduce environmental load
研究概要
ペルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の汚染に対する対策は世界的に重要な課題として認識されている。現在、一般的には、活性炭やイオン交換樹脂、逆浸透膜を用いた処理法等によりPFASが除去されているが、長期にわたって大量に汚染水が排出される場合、高コストとなるため、費用対効果の高いPFASの除去技術の開発が求められている。我々は、持続可能な環境負荷低減技術として、自然の機能(植物・微生物)とろ材(微生物担体)の相互作用を活用した、植栽ユニットの開発を進めている。植栽ユニットによるPFASの除去性能を評価したところ、実汚染水からの効率的なPFASの除去が確認されるとともに、生物分解の関与が示唆された。本研究では、持続可能なPFAS除去技術の開発に向けて、植栽ユニットでの除去メカニズムを解明するとともに、除去性能に影響を及ぼす因子を特定し、効率的なPFAS除去の条件を明らかにする。更に、植栽ユニットによるPFAS除去の持続性を検証し、本技術の適用可能性を評価する。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
本研究では、主に、PFOA等のPFCAs並びにPFOS等のPFSAsを対象とする。PFASの物性 (炭素鎖長) が植栽ユニットによるPFAS除去に及ぼす影響を評価するとともに、植物単独及びろ材単独と比較して、植物とろ材の共存による除去性能の向上効果を検証する。文献調査等を通じて、除去性能に影響を及ぼす因子を抽出し、複数の運転条件下での処理性能試験を行い、効率的なPFAS除去の条件を明らかにする。本技術のPFAS除去の持続性を検証するとともに、その過程での微生物集積挙動を解析し、分解菌の分離を試みる。現地ヒアリング及び、既存技術との比較を行い、本技術の適用可能性を評価する。
今年度の研究概要
実汚染水を用いたPFAS除去性能試験を実施し、PFASの炭素鎖長が植栽ユニットによるPFAS除去に及ぼす影響を評価する。ここでは、主に、ろ材への吸着、植物への吸着・吸収に関する特性について解析する。また、植物単独、ろ材の単独、及び植物とろ材の共存系での除去性能試験を実施し、植物とろ材の共存によるPFAS除去の向上効果について検証する。PFAS汚染の現地視察及びヒアリングを行い、現状と課題を整理する。
外部との連携
大阪大学
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