- 予算区分
- 安全確保領域 S-21-1(2)
- 研究課題コード
- 2327BA001
- 開始/終了年度
- 2023~2027年
- キーワード(日本語)
- エージェントベースモデル,シミュレーション,社会経済的動態
- キーワード(英語)
- agent-based modeling,simulation,socio-economic dynamics
研究概要
生物多様性及び生態系サービスに関する科学-政策政府間プラットフォーム(IPBES)の地球規模評価書では、生物多様性や生態系サービスへの悪影響を及ぼす5つの直接要因(土地と海の利用変化、生物の直接採取、気候変動、汚染、外来種の侵入)を生じさせる間接要因として価値観と行動の変化(人口と社会文化、経済と技術、制度とガバナンス、紛争と伝染病)に焦点を当てた議論がされている。間接要因として価値・行動・文化に着目し、直接要因としては土地利用変化、栄養塩、気候変動に焦点を当てる。地域サイトごとの間接要因ー直接要因ー生態系動態のABMを作成し解析を行う。その上で、フードシステムやサプライチェーンなどに着目して全国レベルの間接要因ー直接要因ー生態系動態のABMを作成する。そして、間接要因を加えたエージェントベースモデル(ABM)が、環境政策決定や新しい制度の導入の際の判断材料としての有効性を示す。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
令和5年度:【地域サイト】佐渡・南三陸・大阪の3つの地域サイトの視察を行い、これらの3つの地域サイトそれぞれに関する間接要因ー直接要因ー生態系動態のエージェントベースモデルの構築を行い、シミュレーションの結果を整理する。適宜、エージェントベースモデルに関する勉強会を開催して研究の発展につなげる。
令和6年度:【地域サイト】令和5年度に引き続き、地域サイトの視察をしつつ、地域サイトの間接要因ー直接要因ー生態系動態のABM研究をさらに発展させる。
令和7年度:【全国レベル】全国レベルを対象としたABMを構築し、シミュレーションを行い、結果を整理する。【地域サイト】令和5、6年に引き続き、地域サイトの間接要因ー直接要因ー生態系動態のABMを発展させる。成果がまとまり次第、論文投稿準備や学会発表などを行う。
令和8年度:【全国レベル】令和7年に引き続き、間接要因ー直接要因ー生態系動態のABMを発展させる。成果がまとまり次第、論文投稿準備や学会発表などを行う。【地域サイト】令和5、6年に引き続き、地域サイトの間接要因ー直接要因ー生態系動態のABMを発展させる。成果がまとまり次第、論文投稿準備や学会発表などを行う。
令和9年度:地域レベルのABMや全国レベルのABMをまとめ、環境政策のために間接要因を考慮した場合とあえて考慮しない従来型のABM研究での違いを明確化し、間接要因を考慮することの長所短所をまとめる。
今年度の研究概要
佐渡・南三陸・大阪の3つの地域サイトそれぞれに関する間接要因ー直接要因ー生態系動態のエージェントベースモデルの構築を行い、シミュレーションの結果を整理する。適宜、エージェントベースモデルに関する勉強会を開催して研究の発展につなげる。
外部との連携
本研究は、環境研究総合推進費「価値・行動変容と生態系動態を結合させたエージェントベースモデル開発」の課題であり、代表者は東京工業大学・中丸麻由子教授である。
課題代表者
横溝 裕行
- 環境リスク・健康領域
リスク管理戦略研究室 - 主幹研究員
- 博士 (理学)
- 生物学