- 研究課題コード
- 2226KZ001
- 開始/終了年度
- 2022~2026年
- キーワード(日本語)
- 地球温暖化,気候予測,全球気候モデル
- キーワード(英語)
- global warming,climate projection,global climate model
研究概要
「温暖化レベル」とは産業革命前と比べた時の全球平均地表気温の上昇幅を指す。IPCC第6次報告書では全球気候モデルによる気候変化予測シミュレーションの結果を1.5℃、2℃、4℃といった温暖化レベル毎に整理して示した。このように整理することで、気候予測情報はパリ協定の温度目標(2℃と1.5℃)と関連付けて理解することが可能となる。しかし、気候変化予測シミュレーションの結果は多様な情報を含んでおり、その中にはまだ温暖化レベル毎に整理されていないものが残されている。また、温暖化レベル毎に整理された予測情報には不確実性が含まれることに注意が必要である。そこで本研究課題では、気候変化予測シミュレーションの結果から新たな情報を抽出して温暖化レベルに対する理解を深めると共に、予測不確実性の低減に資する研究に取り組む。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
研究1年目はマルチモデルシミュレーションの出力を解析し、予測情報を温暖化レベルに基づいて整理することの妥当性を検討する。また、気候変化において雲が果たす役割について理解を深める。研究2年目はSLCF排出量などのシナリオが将来予測の結果へ影響を及ぼす仕組みについて調査する。研究3年目は気候モデルの高度化が気候感度へ及ぼす影響について検討する。研究4年目は将来予測の結果に対して観測データ等を用いて制約を試みる。研究5年目に研究成果を取りまとめる。
今年度の研究概要
今年度は、多数の気候モデルによる過去再現および将来予測シミュレーションの出力データを解析する。特にエルニーニョ・南方振動に注目し、その振幅と温暖化レベルの関係について理解を深める。また、将来予測シミュレーションの不確実性(モデル間の結果のばらつき)の理解と低減に取り組む。さらに、気候モデルMIROC7の開発において層積雲のパラメータ化が導入されたことを踏まえて、この導入が将来予測シミュレーションにどのような影響を及ぼすか、検討を継続する。
外部との連携
研究代表者: 渡部雅浩(東京大学)
共同研究機関:東京大学大気海洋研究所、海洋研究開発機構、気象庁気象研究所