- 予算区分
- 基盤研究(A)
- 研究課題コード
- 2325CD103
- 開始/終了年度
- 2023~2025年
- キーワード(日本語)
- クロロフィル蛍光,陸域生態系モデル,熱帯林,リモートセンシング
- キーワード(英語)
- chlorophyll fluorescence,terrestrial ecosystem model,tropical forest,remote sensing
研究概要
新しい植生リモートセンシング指標である太陽光誘起クロロフィル蛍光(SIF)は、光合成量の推定に非常に役立つと期待されているが、熱帯林はSIFの地上・衛星観測データが非常に乏しいため、光合成の広域高精度推定への利用が進んでいないことが大きな課題であった。そこで東南アジアの熱帯林を対象とし、地上タワー/個葉/衛星SIF観測と放射伝達/炭素循環モデルを組み合わせ、生態系-個葉観測によるSIF-光合成関係における生物的・物理的影響の定量、地上タワー観測と放射伝達モデルによる衛星SIF観測精度の評価、東南アジアにおけるSIF観測データ-モデル融合による生態系炭素循環の高精度推定を行う。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
地上タワー/個葉/衛星SIF観測と放射伝達/炭素循環モデルを組み合わせることで東南アジアにおける生態系炭素循環を明らかにする。生態系-個葉観測によるSIF-光合成関係における生物的・物理的影響の定量を行う。マレーシアのパソ保護林における地上タワーの渦相関法によるCO2フラックス、高分解能分光放射、中分解能分光放射および個葉の光合成・蒸散・蛍光観測により生態系/個葉プロセスを解明する。地上タワー観測と放射伝達モデルFLiES-SIFによる衛星SIF観測精度の評価を行う。GOSAT、GOSAT-2、TROPOMI等の衛星SIFデータのパソおよび東南アジア域のデータを収集し評価する。陸域生態系炭素循環モデルVISITのSIFが再現できるバージョンであるVISIT-SIFの開発をすすめ、東南アジアにおけるSIFデータ-モデル融合による生態系炭素循環の高精度推定を行う。
今年度の研究概要
マレーシアのパソ保護林における地上タワーおよび個葉の観測を行う。昨年度は停電のために途切れたフラックスタワーでの分光放射観測を再開し、SIFを計算する。また個葉の観測も行う。渦相関フラックスの測定についてもメンテナンス作業等を行う予定である。
外部との連携
研究代表者:加藤知道准教授(北海道大学農学研究院)、所外分担者:宮内達也特任助教(北海道大学)、中路達郎准教授(北海道大学)、小杉緑子教授(京都大学)、彦坂幸毅教授(東北大学)、冨松元助教(東北大学)、小林秀樹グループリーダー代理(海洋研究開発機構)
所外の研究者が代表者である。