- 予算区分
- AM
- 研究課題コード
- 2325ZZ002
- 開始/終了年度
- 2023~2025年
- キーワード(日本語)
- サラワク州,生物多様性,地上部バイオマス,持続的森林管理,熱帯林
- キーワード(英語)
- Sarawak,Biodiversity,Above ground biomass,sustainable forest management,Tropical forest
研究概要
マレーシアサラワク州は、国土の大半を占める熱帯生産林において、持続的な木材生産、生態系サービスの維持、生物多様性保全を並立することが課題となっている。本研究では、持続的な熱帯林管理の指標となる種多様性を考慮した森林構造・材積モデルの解析手法の開発を目的とする。具体的には、次の3つの業務を実施する。1)森林管理区で取得されたUAV(無人航空機)-LiDARデータや野外データを用いた森林構造モデル、種多様性を考慮した森林の材積量及び炭素蓄積量推定モデルの開発。2)種多様性が高い熱帯林で実施可能な、DNAによる熱帯樹種の種同定手法の構築。3)サラワク州の研究者への1・2に関する手法のキャパシティービルディング。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
森林材積量を高精度に推定するための重要なパラメータである樹高について、UAV-LiDAR技術等を用いて計測を行う。また、森林プロットデータを統合し、既存のモデルを応用して高精度な体積モデルを開発する。さらに、Mig-seq法を使用して熱帯樹種を特定する手法開発も並行して進める。種多様性の情報を含んだ形で森林の材積量の推定を行うことで、種多様性を考慮した森林構造・材積モデルの解析手法の提示と検証を行う。具体的には、2年目までに、LiDARデータ等を用いて森林3Dモデルを作成し、モデルの誤差と不確実性を算出する。3年目までに、森林プロットデータと森林構造モデルから抽出したパラメータを用いた体積モデルの開発を行う。また、Mig-seq法用いた熱帯樹種を特定する手法も完成させる。サラワク森林局の研究者に向けたキャパシティービルディングは1~3年目に現地および日本にて開催し、森林観測・解析技術の能力向上の支援を行う。
今年度の研究概要
昨年度取得したLiDARデータとレポートから、まずデータの品質チェックを行う。次に、LiDAR点群データを用いて、対象地域の森林3Dモデルを作成する。この時、モデルの誤差と不確実性も推定する。これらのモデルから、樹冠の高さや水平密度構造の指標などの森林構造の指標を計算する。また提供されたプロットのデータを用いて、幹密度、胸高直径断面積、DBHサイズクラス、材質グループの観点から森林構造の分析を行う。NIESにおいて、サラワク森林局職員を対象とした森林構造解析及びUAV-LiDARデータ解析のキャパシティービルディングを実施する。
外部との連携
森林総合研究所
東北工業大学
桜美林大学
東北大学
AME株式会社