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季節予報を用いた高解像度作物収量予報・早期警戒システムの開発(令和 5年度)
Development of a high-resolution crop yield forecast and early warning system with seasonal climate forecasts

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
2325CD107
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
早期警戒システム,作物収量予報,季節予報,機械学習
キーワード(英語)
Early Warning System,Crop yield forecast,Seasonal forecast,Machine learning

研究概要

世界の栄養不足人口は2014年にそれまでの減少から増加に転じた。この増加の要因に挙げられているのが気候変動による異常気象である。このような気象に関連した災害は特定の場所や時期に発生する訳ではない。そのため気象予報などを用いて災害が発生する前にできる限り早くその場所や時期を特定し、有効な事前事後の対策を進めていくことが重要である。これに対し本研究の目的は、3ヶ月先までの作物収量を高解像度に予報し、作物不良等の早期警戒情報を配信する「高解像度作物収量予報・早期警戒システム」を構築することである。本研究ではこのシステムを、1数ヶ月先までの気象を予報する季節予報技術 、2高速かつ高精度に気象データを高解像度化する機械学習技術、3気象データから作物収量を推計する作物モデルの3つの最新科学技術を統合することにより構築する。さらにこのシステムをインターネットで公開し、農業・食料関係の国際機関や各国・地方の行政官等に広く利用して頂く。本研究の対象地域は栄養不足人口が世界で最も多いアジアとし、対象作物はアジアの主要作物である水稲とする。これにより気候変動時代におけるアジアの食糧安全保障の強化に貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

本システムは 3 つのコンポーネントから構成される。それらは、1季節予報データ作成、2高解像度データ作成、3収量予報データ作成/システム開発である。
(1)3ヶ月先までの季節予報データを作成するコンポーネントを開発する。ここで作成する季節予報データの空間及び時間解像度は緯度経度 1.25 度(=125km 程度)、日別である。対象とする気象変数は収量計算に必要な 7 変数(最高気温・最低気温・降水量・日射量・湿度・風速・気圧)である。また収量予報の精度評価用に過去の季節予報データ(1991-2020 年)を作成する。
(2)テーマ1で作成される低解像度の季節予報データから、機械学習による手法を用いて高解像度(緯度経度 0.1 度=10km 程度)の季節予報データを作成するコンポーネントを開発する。また収量予報の精度評価用に過去の高解像度季節予報データ(1991-2020 年)を作成する。
(3)テーマ2で作成された高解像度季節予報データを用いて3 ヶ月先までの収量予報データを作成するコンポーネントを開発する。またテーマ1・2・3で開発されたそれぞれのコンポーネントを統合し、高解像度収量予報・早期警戒システムを構築する。

今年度の研究概要

(1)予報誤差除去手法の開発
(2)高解像度化手法開発
(3)作物モデルの高精度化

外部との連携

農研機構・気象研の研究者との共同研究

課題代表者

増冨 祐司

  • 気候変動適応センター
    アジア太平洋気候変動適応研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(地球環境学)
  • 工学,農学,物理学
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担当者