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機械学習に基づく大気化学モデルのバイアス補正手法開発と光化学大気汚染解析への適用(令和 5年度)
Bias correction of atmospheric chemistry model based on machine learning and its application to analysis of photochemical air pollution

研究課題コード
2325CD007
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
大気化学モデル,光化学オゾン,機械学習
キーワード(英語)
Atmospheric chemistry model,photochemical ozone,machine learning

研究概要

大気汚染物質であるオゾン(O3)は、前駆物質である窒素酸化物(NOx)と非メタン炭化水素(NMHC)の排出削減にも関わらず大気濃度が高止まりしたままであり、深刻な光化学スモッグの問題を引き起こしている。高濃度O3の対策立案においては数値シミュレーションが不可欠である一方で、時空間的な不均一性の高いNOx・NMHC濃度をシミュレーションで再現できない問題が、O3対策立案の決定的な障害要因となっている。そこで、本研究では、大気観測・数値シミュレーションと機械学習モデルを統合して、O3・NOx・NMHCの整合的なバイアス補正を実施するとともに、現実的な前駆物質の濃度場に基づいて、大気O3制御戦略の基盤となるO3生成レジームを評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

第一に、機械学習モデルの説明変数データを作成するための地域気象モデル・大気化学輸送モデルを利用した数値シミュレーションを実施する。その後、数値モデル計算結果を基に、機械学習モデルを初期的に計算し、O3やその前駆物質(NOx・NMHC)の濃度分布を得る。機械学習モデルの初期評価の後に、2000年代から2010年代にかけての、整合的にバイアス補正されたO3・NOx・NMHCの濃度場を推計する。バイアス補正されたNOx・NMHC濃度を基に、化学反応モデルを計算することで、前駆物質濃度・化学反応メカニズムの両面で観測データと整合的なO3生成レジームを推計する。また、MLモデルで計算される特徴量(NOx・NMHC濃度のバイアス補正時の各説明変数への感度)を、排出インベントリの精度向上に資する情報として整理する。

今年度の研究概要

機械学習モデルの説明変数データを作成するための地域気象モデル・大気化学輸送モデルを利用した数値シミュレーションを実施する。その後、数値モデル計算結果を基に、機械学習モデルを初期的に計算し、O3やその前駆物質(NOx・NMHC)の濃度分布を得る。

課題代表者

森野 悠

  • 地域環境保全領域
    大気モデリング研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(理学)
  • 地学
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担当者