- 研究課題コード
- 2123CD001
- 開始/終了年度
- 2021~2023年
- キーワード(日本語)
- リモートセンシング,熱環境,都市計画,ビッグデータ,人工知能
- キーワード(英語)
- remote sensing,thermal environment,urban planning,big data,artificial intelligence
研究概要
リモートセンシングとビッグデータ分析の融合により、マルチスケールでの典型的な都市熱環境時空間情報抽出を通じて、都市における熱ストレスを監視するシステムを構築し、都市環境行政に適用するほか、都市環境計画(都市デザイン)、人間居住環境の管理・改善技術の提供など、環境モニタリング技術と環境評価能力の向上へ寄与することを目的とする。リモートセンシングデータからの地表面温度情報抽出を通じた、都市熱環境に関するマルチスケールの時空間情報構築を東京などの都市を対象に実施するものであり、都市における多様な熱ストレスの時空間分布をいかにして描き出すかを課題としている。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
リモートセンシングとビッグデータ分析の融合により、マルチスケールでの典型的な都市熱環境時空間情報抽出を通じて、都市における熱ストレスを監視するシステムを構築し、環境行政に適用することを目的とする。また、中心市街地におけるデータ抽出、熱環境分析、熱ストレスのリスク評価への技術的向上など、リモートセンシングの情報プロダクツに関する研究開発、応用、サービスレベルの向上への貢献が見込まれる。さらに、高時間解像度のモニタングデータを分析し、大量の知見を抽出して地域環境モニタリングや地域環境計画策定支援に生かすべく、人工知能による判別と類型化のルーチンを確立し、都市空間の広域化と構造の多様化に対応する手法を具現化する。
今年度の研究概要
求められた地表面温度時空間構造より平均放射温度(MRT)の時空間構造を算出(等級化してマッピング)する。様々な気象条件に応じて出現しうる平均放射温度時空間構造をもとに、都市熱ストレスのリスク評価を行う。その結果にもとづき、市街地における広場や大通りなど、都市デザインへの提言を行う。
モデル都市を選び、長期間の多種類リモートセンシングデータや気象データ、地表面構造データを用い、本研究で提示する手法の有効性を検証する。
以上の前段階で方法論の開発のため、申請者らが2016〜2017年夏に東京都心においてヘリコプターによる低空撮影(600m)撮影を行った高解像度(1m)地表面温度画像データ(約10km四方)を用い、街区スケールの画像をユニットとして、人工知能による判別と類型化のルーチンを確立する。
さらに、ここ数年で都市内緑地公園や河川空間の周辺地域冷却効果に関するリモートセンシングデータの誤った解釈にもとづく論文が急増していることを受け、つくば市内の緑地公園を対象に、野外観測(土壌中の熱伝導)とモデル計算(ENVI-metなど)による仮説の検証を行う。
外部との連携
研究分担者:白木洋平(立正大学・データサイエンス学部・教授),大西暁生(横浜市立大学・データサイエンス学部・教授)